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ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ

2019年04月28日 | 映画(は行)

今も行方不明の名画も・・・

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ナチスドイツにより奪われた名画と
それに関わる人々の運命を描いたドキュメンタリーです。


1933年~1945年。
ナチスがヨーロッパ各地で略奪した美術品は60万点と言われていますが、
戦後70年以上を経た今も10万点が行方不明とのこと。
そんな経緯を様々な歴史家、美術評論家、関係者が証言していきます。

私、以前「ミケランジェロ・プロジェクト」という映画で、
ナチスに奪われた美術品を取り戻すための専門のチームが作られ、
活躍したストーリーを見たのを思い出しました。
終盤、古い岩塩坑に隠された大量の美術品を発見するシーンがありましたっけ。



ヒトラーとその右腕と称されるゲーリングが競うようにして美術品を収集したのですね。
裕福なユダヤ人の屋敷にあったものや、ユダヤ人の画商の所有物は有無を言わせず略奪。
その他征服した地の美術館の所有物は二束三文で購入、など・・・。
そして、ピカソ、ゴッホ、ゴーギャン、シャガール、クレーなどの作品を
「退廃芸術」の烙印を押して貶め、
アーリア人による写実的、古典主義的な作品をもてはやす。
権力により芸術までもを支配しようとは、何という傲慢・・・。

そして戦後のドサクサでこれらの収集品は四散し、
元の持ち主に戻ったものはわずか。
先の「ミケランジェロ・プロジェクト」では、ソ連軍が発見した美術品は
そのままソ連に持ち去られてしまったと言っていましたし、
裏道を通じて入手した美術品の持ち主はそのことを公にしてほしくないので、
「ミケランジェロ・プロジェクト」の上映に圧力をかけた、などという話もありましたっけ・・・。
本作中ではそんなことには触れられていませんでしたが・・・。

こうした曰くつきの美術品の展覧会などあれば、ぜひ見たい気がします。


<シアターキノにて>
「ヒトラーVS.ピカソ 奪われた名画のゆくえ」
2018年/イタリア・フランス・ドイツ/97分
監督:クラウディオ・ポリ
出演:トニ・セルビッロ
歴史発掘度★★★★★
満足度★★★.5



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