映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

「東京藝大物語」茂木健一郎

2019年08月19日 | 本(その他)

行動するものは愚かだが、しかし、尊い

東京藝大物語 (講談社文庫)
茂木 健一郎
講談社

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全国から才能が集う東京藝術大学。
しかし、アーティストとして名をなすのは十年に一人ともいう。
感動すると鼻水が出るジャガー、
鳩ばかり描くハト沼、
迸る情熱を制御できない杉ちゃん。
何者かになろうとあがく彼らの悪戦苦闘、波瀾万丈の日々を、
六年間、講師として過ごした著者が万感の思いで描く青春小説!

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少し前に茂木健一郎氏の講演を聴く機会があり、そのときに買い求めた本です。
6年間著者が東京藝術大学で講師を務めた時の経験を生かした、青春小説。


何しろそこに登場する学生たちがユニークというか、
いえ、ユニークなどすっかり通り越して変人。
ものすごい難関を突破してこの学校に入学したとしても、
アーティストとして名を成すのは10年に一人・・・。
そんな中で、学生たちはどのように過ごし、未来を見つめるのか。
毎週の(たぶん)講義の終わったあとの大宴会。
これはやはり、茂木健一郎氏だからこそ引き出せた
学生たちの本音、真の姿と思われるのですが、
確かに学生時代でしかありえない「時間」なのかもしれません。

講演の中で、氏はおっしゃっていました。
「行動するものは愚かである。しかし、尊い。」
まさに、そういう作品です。

「東京藝大物語」茂木健一郎 講談社文庫
満足度★★★☆☆



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