想像を超えた結末・・・「世にも奇妙な物語」が好きな方に。
世にも奇妙な君物語 | |
朝井 リョウ | |
講談社 |
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異様な世界観。複数の伏線。先の読めない展開。
想像を超えた結末と、それに続く恐怖。
もしこれらが好物でしたら、これはあなたのための物語です。
待ち受ける「意外な真相」に、心の準備をお願いします。
各話読み味は異なりますが、決して最後まで気を抜かずに―では始めましょう。
朝井版「世にも奇妙な物語」。
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朝井リョウさんによる「世にも奇妙な物語」。
これは楽しめます。
短編集。全5話。
「リア充裁判」では、「コミュニケーション能力促進法」なるものが制定された世界が描かれます。
コミュニケーション能力に欠けるものはほとんど人間扱いされないという・・・。
現代社会を痛烈に皮肉る作品。
「立て!金次郎」は、幼稚園教諭を務める若き金山の奮闘記。
何やら普通のお仕事小説なみに、金山は悩みながらも
子どもたちの幸せを願い、仕事に励みます。
いやいや・・・、この本で、こんな話、まともに終わるはずがない・・・
と訝りながら読み進んでいけば、やはり・・・!!
最後の最後でどんでん返し。
しかしこれは意外とあってもおかしくない話かも・・・と思ってしまった。
ラスト「脇役バトルロワイヤル」がめちゃくちゃ面白い。
テレビドラマや映画で、「脇役」として活躍している人ばかりがオーディションに集められます。
そこでドラマの「主役」を選ぼうとしているらしいのですが、
何しろ皆さん、すっかり脇役が身についてしまっている。
少しでも「脇役あるある」的な発言をしてしまったものから、
その場から消えてゆく・・・。
で、ここに登場する俳優たちの名前がいいのですよ。
溝淵淳平、勝池涼、八嶋智彦、渡辺いっぺい、桟見れいな、板谷夕夏・・・
どこかで聞いたことがあるような・・・。
でもまさにその人を思い描きながら読むと効果満点です。
「世にも奇妙な君物語」朝井リョウ 講談社文庫
満足度★★★★☆
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