ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
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コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

奢るなよ!公演は送迎バスだからって

2012-07-23 19:10:35 | 演劇
 昨日は食育ミュージカル『アーダコーダと魔女ナンダ』のダブルヘッダー。今日は演歌ショー『夢芝居』。そして明日はまたミュージカル、とプロ球団並みの日程が続く。しかもそのいずれもが送迎バス付きっていうんだから。

 平日の公演は保護者の送迎をお願いできない。そこで、バスを出していただけるなら、という条件付きで公演の依頼を受け付けた。中には南陽市のように市のスクールバスを使わせもらえる恵まれた所もあるが、多くはバス代金は自前、公民館や小学校PTAにとっては大きな出費は苦しいに違いない。それでもなお、送迎するから来てほしいというお話しが続出しているというわけだ。

 たかだか高校生の演劇部の公演をそこまでして見たいと言ってもらえるのは、本当に本当に劇団冥利に尽きる。有り難いお話しだ。だから、部員たちには精一杯の舞台を要求している。決して上手なわけではない。歌だって踊りだってもっと上手い高校生はわんさかいる。自惚れちゃいけない。

 置農演劇部がこれほどまでに待ち望まれるのは、高校生の精一杯が見る人たちを揺さぶるからなんだ。面白い芝居を作りたい、踊りを見てほしい、躍動感を感じ取ってほしい、そんな生真面目な思いが、相手に伝わるからなんだ。そのことをいつでも、どこでも、決して忘れないようにさせたい。

 だから、舞台そのものだけでなく、バスに乗り込むところから入館する際、準備や片づけに飛び回るところまで、てきぱきと気持ちよく動く姿をご覧にいれれたい。本番は舞台の上だけのことではない。わざわざ交通費まで負担して呼んでくださった主催者の皆様は、部員たちのそんな動きをそっと覗っているのだ。

 見られているか、きちんとする、って話じゃない。最初から最後までを緊張感をとぎれさせることなく過ごせるかどうかは、その人間の質の高さを測るものだと思うからだ。演技だけ素晴らしくたって、高校演劇では合格なんかではまったくない。人間としての成長があって、初めての舞台評価なのだと思う。

 と言うことなので、置農演劇部、まだまだまだまだ未熟だ。心しよう。



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