菜の花座第30回公演の台本『山棲』が仕上がった。これまでとはまるで異質だなぁ。笑いの欠けらも見つからない。ひたすらくらいし。舞台そのものも黒パンチ敷いてホリゾント幕なし。全面が明るくなることは最後までない、はず。出てくるのは、山に住む妖怪たちと自殺志願の者たち。さらに、彼らを失望に追い込む世間や国がちらりと。
暗いんだ。だってテーマは怒りだから。今の時代、どうしたってこれは書かなきゃならない。あっちにもこっちにも積もりに積もって、自然発火寸前ってところじゃないの。僕の中でも、やばいぞ、これはって思いが日増しにつのりつつある。虐待や暴力、差別や放置、子どもだったり、年寄りだったり、被災者だったり、女だったり、ともかく、弱い者が声を上げられないままに、圧迫されている。くぐもる本音、くすぶる怒り、渦巻く怨念、そんな恨み辛みに力を与えて、復讐劇に仕上がった。
こんな作品だから、役者にもこれまでとは違う努力を求めることにした。ひたすら自分で読み込む。ぎりぎり自分で役を作る。とことんせりふをものにする(覚えるってことじゃもちろんない)。2回目の稽古でそれを宣言した。役者が
これだ!と思ったら、僕が聞く。ダメなら差し戻し、僕が細かく指示したりやって見せたりは絶対にしない。役者が独自につかみとる、そんな仕上げ方をしたいと思っている。これまでは、あまりに僕が差し出がましかった。それが役者の成長を邪魔してきたように感じたからだ。全員がすでに10年以上の演劇キャリアを持っている。そろそろここらで、手探りで役をつかみ取るってこともしていかないといけないんじゃないか。
これまでの作品は、それぞれの役者にあったキャラクターで書かれてきた。既成のものでも、そこを判断基準にして無理なくやれる作品を選択してきた。でも、そろそろ本当の役者になって欲しいんだよ。どんなものでも、たとえ自分とかけ離れた役柄でもしっかりリアリティもって造形できるような、そんな本物になる時期だと思う。そんな、冒険を孕んだ問題作、それが『山棲』だ。
暗いんだ。だってテーマは怒りだから。今の時代、どうしたってこれは書かなきゃならない。あっちにもこっちにも積もりに積もって、自然発火寸前ってところじゃないの。僕の中でも、やばいぞ、これはって思いが日増しにつのりつつある。虐待や暴力、差別や放置、子どもだったり、年寄りだったり、被災者だったり、女だったり、ともかく、弱い者が声を上げられないままに、圧迫されている。くぐもる本音、くすぶる怒り、渦巻く怨念、そんな恨み辛みに力を与えて、復讐劇に仕上がった。
こんな作品だから、役者にもこれまでとは違う努力を求めることにした。ひたすら自分で読み込む。ぎりぎり自分で役を作る。とことんせりふをものにする(覚えるってことじゃもちろんない)。2回目の稽古でそれを宣言した。役者が
これだ!と思ったら、僕が聞く。ダメなら差し戻し、僕が細かく指示したりやって見せたりは絶対にしない。役者が独自につかみとる、そんな仕上げ方をしたいと思っている。これまでは、あまりに僕が差し出がましかった。それが役者の成長を邪魔してきたように感じたからだ。全員がすでに10年以上の演劇キャリアを持っている。そろそろここらで、手探りで役をつかみ取るってこともしていかないといけないんじゃないか。
これまでの作品は、それぞれの役者にあったキャラクターで書かれてきた。既成のものでも、そこを判断基準にして無理なくやれる作品を選択してきた。でも、そろそろ本当の役者になって欲しいんだよ。どんなものでも、たとえ自分とかけ離れた役柄でもしっかりリアリティもって造形できるような、そんな本物になる時期だと思う。そんな、冒険を孕んだ問題作、それが『山棲』だ。