雪が降ろうが、寒さがつのろうが、やることはやんなね、それが農業。そう、もうすでに米作りは始まっている。
正確に言えば、昨年末、ぼかし肥え積み作業。夜討ちをかけてようやく手に入れた米ぬかを大量に使って積んだ。正月気分で、ついうっかり、おお、あれからもう1週間が過ぎたじゃないか。最初の切り返しの時期だぜ。
覆いのビニールをはぐってみると、
ほれほれ、表面は真っ白な菌糸がびっしりと覆ってる。よしっ、順調に発酵してそうだ。ショベルをざくりと入れて、表層の部分を掘り上げる。厚さは10センチ近くある。硬い!
力を込めて割る。中は菌糸の塊。
これをそのままにしておくと、かちかちになって育苗土に混ぜられない。面倒だが、塊を割って、ほぐして、粉々にして、・・・・コンクリートのような表面を丁寧に細かくしていく。それを内部のまだ十分発酵が進んでいない部分に混ぜ合わせる。そうやって、全体を均一に発酵させ、さらさらとした粒状の肥料に仕上げるのだ。ざっくりと手を突っ込むと、ほのかに暖かい。微生物たちが精いっぱい働いているその余熱だ。冬でなければ、熱いくらいに発熱する。このくらいゆっくりゆったり菌が増殖していくのが質の良いぼかしを作るには適切なように感じる。
手を揉み合わせ、ショベルでかき混ぜ、上下、内外をひっくり返す。念入りに取り組むこと小1時間。ほぐしてもほぐしても塊はなくならない。もういいか、このくらいで。残った固まりは畑の肥料に使おう、と言い訳して、作業終了。一汗かいた仕事初めだった。