いやいや、待ってくれ。
ポピュリズムの評判が悪すぎるぞ!
デモクラシータイムスの1月4日動画『2025年の重大事』でも、「ポピュリズムに陥っちゃいかん」とかの発言に多くの参加者が頷いてたし、
さっき見たらXのポストで鴻上尚史も毎日新聞の記事から、
「ポピュリズム(大衆迎合主義)に陥らず、質の高い投票ができる人を育てる必要があるのです」なんて引用していて、
ええーっ、あんたもかい!ってなっちまったぜ。
何で、ポピュリズムが大衆迎合主義なの?
迎合って、蔑みの言葉だよな、見下した表現だろ。
「おまえなぁ、チンピラなんかに迎合してんなよ」とか、「エンターテインメントなんて、所詮受け手に迎合する作品だ」とかって。自分の崇高な本性、とと信じてる、を隠して相手に阿るってことだろ。
ポピュリズムって言葉にうさん臭さと侮蔑感がまとわりついてるけど、それ、
訳語が適切じゃないんだぜ。
訳語が適切じゃないんだぜ。
大衆迎合主義でなく、大衆依拠主義って訳さにゃならんのさ。
ポピュリズムの語を否定的に使う人らって、多くはリベラルの知識層が多いんじゃないか、デモクラシータイムスの出演者とか視聴者とか。
彼らの頭の中じゃ、大衆、遅れた人たち、無知で真っ当な判断ができない、烏合の衆、って、昔のまんまで刷り込まれてんじゃないの。
大衆が誤った選択繰り返してるから、この社会はじりじり奈落に向かいつつあるんだ、ポピュリズムを打ち破らなきゃ本当の!民主主義は成立しない、って図式な。
待て!待ちやがれ。大衆を遅れた者、政治に疎い人たちって一括りにするなってんだよ。
知的な階層だからって正しい判断して来たのか?財界はどうだ?官僚はどうだ?自民党はどうだ?リベラルはどうだ?
ほとんど例外なく高学歴な連中だろ。彼らの舵取りとお節介のせいで、日本はここまで落ち込み、とち狂って来たんじゃねえのか。
大衆の声聞く政治のどこが悪いんだ。庶民の要望を叶えようと努力する政党のどこが間違ってるんだい。上から見据えて、困ったもんだ、もっと賢くなって政治家を信頼してくれなくっちゃ、って嘯いてる連中こそ、社会の害毒だぜ。
そうやって、お高くとまって、庶民を隅に追いやって来た既成政治と財界主導をひっくり返したいって、湧き上がりつつあるのが、大衆の欲求であり、ポピュリズムの政治運動なんだぜ。
『ポピュリズムとは何か』水島治郎著を読めってえの!
だがな、大衆に支えられてればすべてよし、ってわけにゃいかんのは確かさ。大衆の熱量は同じでも、方向はまるで別ってことは当然ある。社会的弱者なんて切り捨てろって主張もあれば、生きててよかったと思える社会を目指す大衆運動もある。ヘイト上等!の差別感満載もあれば、多様性容認のおおらか穏やかな実践もある。
知識層、指導者層と同じことだ。大衆も多様なんだ。
だからな、知的エリート層か大衆か、でも、知識が豊富か直感頼りか、でもない。
問題は、どのような社会を目指そうとしているか、ってことなんだぜ。
まとめる。
ポピュリズム自体は悪ではない。
ポピュリズムを大衆迎合と見做してはならい、大衆依拠と考えるべきだ。
政治が大衆の意を汲んで何が悪い。
人々の思いから離れた政治、社会のあり方こそ問題だ。
ポピュリズムって名付けて、解決した気でいるなってのよ。