極秘って、ここに載せたら、秘密でもなんでもないじゃんか。
置賜地区の国語の先生たちに講演、頼まれたんだ。菜の花座やってるから、何か国語に関わる話し、できんじゃないか?ってことだ。以前にも講演したことがあって、その時は、体と言葉ってテーマで、先生たちにダンスさせちまった。体の有り様と感情って深いところでつながってるってこと、知ってもらいたくってね。
それから10年、くらいかな?まさか、今度もダンスレッスンってわけにゃいかんさ。1時間10分って短い割り当てだが、しっかり話をさせてもらおうか。
大して中身のない話しになるから、せめて準備は万全にって、当日配布のレジュメと自己紹介文を作ってみた。年取ると図々しくなるもんで、自己紹介はめったやたら都合のいいことばかり、なにもかも書き出した。2度の大学生活もパン屋修行も、関わった地域活動、(「豊かな」食を求める会、たかはた共生塾)のことなんかも書いた。数少ない受賞歴や著作についてもこの際網羅。ついでにフルとハーフのマラソンベストタイムも記録した。A4、1枚を超える分量、事務局が適当に端折ってくれるだろう。さすがに、あまりにいけしゃーしゃーとしてるから、ここには載せない。
講演のポイントは3点。一つは菜の花座の紹介。ここはそのまま、公開しちまおう。
Ⅰ 菜の花座の紹介
① 活動の概略
・旗揚げと来歴
フレンドリープラザ演劇学校(校長:井上ひさし)1期生が修了時に旗揚げ
置賜農業高校演劇部OGが加わる
シニア演劇学校修了生が参加
評判を聞き入団する者、増加中
現在、20歳から73歳まで20名ほどで活動中
多彩な団員たち:介護士、家事手伝い、青果会社現業、薬剤師、病院事務、本屋、外資系企業管理職、
ナメコ農家、高校教員、会社社長と専務夫婦
退職シニア・元幼稚園園長二人、元小学校教諭、元中学校教諭、元看護師、元アジア各国派遣エンジニア?
・年に2回~3回の定期公演
今年19年目、41回目の定期公演
昨年、川西中学校芸術鑑賞、秋田県三種町公演
作品は河原のオリジナル脚本
・コント大会
高校演劇部やアマチュア劇団と競演
菜の花座、チームに分かれ舞台に立つ
・出前公演と各種舞台出演
「認知症サポート講座」コント
芸文祭、ねほだれ大会、たかはた踊り祭り
・シニア演劇学校のサポート
1期1年で修了。6年間で37人。
スタッフで支援、助演も
② 作品の傾向
・「たっぷり笑い、ちょっぴりほろり」
『にゃん婆と時之助』不妊治療された金なし雄ネコの野良ネコ修行
『不幸せくらべ』両親の離婚で別居した姉妹、互いに不幸を競い合う
『決められない!』優柔不断の女4人の織り成すオムニバス芝居
・歴史と社会に切り込む
『山棲み』山奥に隠棲する者たちのこの世への怒りの告発
『お遍路颪』秩父蜂起を陰で支え、翻弄された女たちの本音
『女たちの満州』満州開拓民のための花嫁学校
『予兆 女たちの昭和序奏』現在稽古中 7月16日(月)公演
昭和6年、満州事変の勃発とともに、一気に戦争礼賛へとなだれ込む世間
必死で抗った婦人雑誌女性記者たちの戦い
フェイクニュースがいつの間にか、「真実」へとすり替わって行く時代を描く
・大衆演劇を取り込む
『流れ旅 匂うは紅』旅回り一座に飛び込んだ青年は特高警察に追われる身
権力にも金にも屈しない女座長の心意気
・コント 「笑いは菜の花座の皮下脂肪?」
降り込め詐欺防止のコント
認知症者サポートコント
時代や政治をおちょくるコント
その他、多数
と、これ全部話したら、それだけで1時間は飛ぶな。だから、レジュメにして、後で読んでもらっても役立つようにってことで、かなり詳しく書いた。
次のテーマは講演タイトル「自分と出会う」。まっ、ここがメインってことになる。
Ⅱ 自分と出会う
① 役に出会う
・作者と役者は離れ離れにスタートする
どうしてこうも下手に読むんだ!
・演出は未知の世界への案内人
時代背景、人物像の説明から⇒ほとんど歴史の授業
・役者は未知の人生を手繰り寄せる
セリフにこもる思いを知る
その思いを込めて発語する
⇒説明のためのセリフにだって、感情は滲む
・繰り返しは成り切りへの道
たった一つのセリフでも何十回と
役柄の心を自分の心に移り住ませる
② 役者はいろんな人生、いろんな心を手に入れる
・Kさん
旧家の嫁として、しっかり者のお姑さんの下で、忍耐の暮らしに耐えた 退職を機に、抑えていた自分を解き
放ちたいと、演劇の道へ 弾けた役がやりたい 見かけと違う華やかで癖のある役を!
⇒キャバレーの女給(昔の時代の話しです)
やり手の女詐欺師、
自惚れ屋のシャムネコとか
嬉々として役作りに励む
演劇の中で、もう一度人生を生き直している
埋もれていた自分と出会う喜び
・Hさん
シニア演劇から入って、今や菜の花座の花形女優
多彩な役柄をこなす
⇒関東大震災で息子を亡くした旅一座を仕切る女座長 踊りも立ち回りも
自意識過剰な売れない役者
夢叶わなかったキャバレーダンサー 歌もダンスも
借金取り立ての下っ端ヤクザ
生むたびに子猫を殺されて雄ネコ恐怖症になった魅力的な黒猫
「黒猫のタンゴ」のダンスは拍手喝采
満州に流れてきた売春婦
不倫に走り、その負い目から過激な行動に身を晒す明治の女
極めつけ!
大正の伝説、19回の結婚を経験した元新聞記者、元講談師、元女優、元・・・・
時代をはるかに突き抜けた女、新庄幽蘭
『予兆 女たちの昭和序奏』 ついに講談も披露
役はどれも崩れた女 地の彼女とは縁遠い
だが、「こんな役合ってるのかも?」
多分、これまで意識して来なかった自分を発見
芝居として他者の人生を生きることで、隠されていた性格や願望や好みを見出し、
新しい仕草や言い回しなど自己表現も発見していく
三点目、事務局からの要望は、授業で使える演劇活用法。これについては、言葉の多義性を学びつつ、コミュニケーションの在り方を考えるワークショップを考えている。残り15分程度の配分、果たしてどこまで納得してもらえるものになるか、もう二晩、じっくり想を練ることにしよう。
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