ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

地域の底力

2009-04-03 08:57:32 | 地域文化

 はて、困った!演歌を踊るったって、誰に振り付け頼む?誰に指導してもらう?衣装は?いくらなんでも、ダンスの衣装じゃまずいだろう。着物だよ、これは。帯は?足袋は?・・・・

 新しいことやっるってのは、こういう未知の難題を一つ一つクリアしていくことなんだ。で、今回、その力を貸してくれたのが、地域の方たち、中でも町の芸術文化協会会員(芸文)の皆さんと、日頃から菜の花座を応援してくれている方々だった。

 まず、着物、これは菜の花座のサポーターとして、いえいえ顧問というべきかな、和服の着付け指導を受け持っていただいている地元「さゆり美容室」の黒沢さん。たまたま、知り合いから古着が出たということで、一山いくらっていう破格の値段で分けてもらえた。さらに、着付けについても、稽古期日の3日間すべて来てくれて指導していただけることになった。

 帯は、今回男踊りなので、幅の狭い男帯が必要。これって古着屋になかなか出ていない。で、いつもお世話になっている隣町の生地屋さん「大場ソーイング」の奥さんにお願いしてみたら、仙台に行った時に仕入れてきて上げるとありがたいお話。これも、格安で順調に手に入った。

 次は本命の踊り。つてを頼ってスポーツ民謡の指導者にお願いしようと練習会場に伺ったものの、一足違いでお会いできず、弱った、どうする?って悩んでいたら、黒沢さんから、じゃ頼んで上げるってことで、あっという間に話しが決まった。

 引き受けてくれたのは、地元で舞踊を教えている高橋さん(藤柳美香次)。本番まで一週間もないというのに、振り付けも快諾していただき、これまた、3日間連続で通っていただいている。

 これまで一切日本的なものとは縁のない高校生に和服を着せ、しかも日本舞踊を踊らせようってんだから、これはそうとうの力業だ。このお二人のまさしく献身的な力添え無くして実現できない試みだ。本当にありがたいというか、信じられないような幸運としか言いようがない。

 さらに、替え歌。『男の情話』坂本冬美のオリジナルバージョンは手に入ったが、替え歌となるとどうしたって、カラオケ版が欲しい。ところが、カラオケってCDじゃほとんど出てないんだよ。出ていても一曲ダウンロードってのができない。そうか、カラオケだったら、第一興商か!って思いついてそのサイトに行ってみた。あるある一曲105円、当然『男の情話』もあった。ダウンロードを試みること2時間!なんとしてもこっちのパソコンに入ってこない!一晩棒に振ってあえなく降参。

 仕方ない、諦めるか、って時にまたもやはたと思いついちまった。そうだよ、町の芸文にカラオケグループがいるじゃないか!さっそく事務局の金子先生に電話して、これまた、あっという間に、カラオケグループリーダーの鈴木さんに話しを付けていただいた。で、わざわざ仕事の合間、中央公民館に駆けつけてくれて、カラオケ版も録音終了。これまた、本当にありがたい。もう涙が出るほどの感激だった。

 こうやって、いざ地域の方たちに頼ってみると、皆さん、高校生が来てくれたことを喜んでくれているようだ。そうなんだ、着付けにしろ、日本舞踊にしろ、カラオケにしろ、町の芸文で活動している人たちって若い人との接点が無かったから、娘や孫みたいな部員たちが、一生懸命、芸事に取り組んでくれるってことになって、待ってました!って二つ返事で引き受けてくれたってことなんだ。さあ、後は部員たちがどれだけ意地を見せるかだけだよ!

 今回、初めてその威力を知った町の人たちの底力、地域の底力、これをこれからも大いに利用させてもらいながら、置農演劇部や菜の花座もその底力の一端を担えるようになっていかなくっちゃね。新しい取り組みが新しい関わりを生み出す。ねっ、やっぱり、殻が出ていかなくちゃ。

 

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新企画は演歌舞踊

2009-04-02 08:38:40 | 地域文化

 なんか新しいことやんなくちゃ!子どもミュージカル始めて6年、食育テーマで3年目。次やるならなんだ?ミュージカルで子どもたち、大会作品で高校生、大人を引きつけ、後は当然!お年寄りだろう。

 これまでも、子どもミュージカルを老人大学で見てもらったこともあった。でも、これ、ちょっと無理がある。そうだ、以前老人ホームの夏祭りに招かれて、獅子舞やよさこい踊ったら随分喜んでもらえたっけ、もう、感激したお婆ちゃんが高校生の手を握りしめたまま放さないんだ、涙浮かべながら。世の中、高齢化社会。『どんがら山奇譚』で山村に一人残るお婆さん描いたことでもあるしね、ここは一番老人向けのプログラムを作っちゃおう。

 で、なにする?老人会や老人ホームで演じて喜んでもらえるもの。そりゃあ、演歌でしょう!お年寄りがストレートに感情移入できる昔の名曲の数々。これを歌いながら踊る。さらに、彼らの生きた時代をあらわすコントなんかでつなぎながら。うーん!いいじゃないか。問題は、高校生が嫌がらないか?ってこと。演歌も演歌舞踊も、およそ縁遠い人たちだからね。

 こういう時には、小出しが一番。一気に始めるのじゃなくて、一つ一つと積み上げながら、なれていかせる。気が付いたら、おっ、結構いいじゃん!って持って行くことだ。ということで、今回は、まず、発声練習で演歌を歌うことから始めた。『津軽海峡冬景色』を腹にしっかり力を入れて大きな声で歌う。演歌って奴は、ものにもよるけど、しっかり腹式呼吸しないと歌えないものなんだ。それと、歌われる感情世界がストレートでわかりやすいから、歌に感情を込めやすい。まあ、臭い演技的になりがちだけど、それでも、歌いながら、恋人との別れのつらさせつなさを心にあふれさせるトレーニングにはなる。

 次のステップが、今回の替え歌演歌舞踊だ。坂本冬美の『男の情話』。これ実に交通安全の替え歌にぴったりだったんだ。出だしのせりふ、「白は白、黒は黒」これを「赤は進め、青は止まれ」ってね。男の意地を歌った歌詞だけど、これが見事に交通安全の言葉で書き換えられた。これを、交通安全出発式で、歌いながら、踊ろうっていう計画だ。出発式って参加者はほとんど高齢者だって聞いたから。もちろん、着物着て、本格的に踊りも習って。稽古期間はわずかに3日!どこまでやれるか。まっ、高校生がやるもんだから、演劇部の出し物だから、下手もご愛敬。一生懸命やればきっと喜んでくれると思う。

 そんないい加減な!って目くじら立てることはない。お客さんに喜んでもらえるってことが芸の本道じゃないか。まじに問題意識たら盛り込んで、しち面倒臭いもん無理矢理見せるより、面白いもん、見てもらう方が、どんだけいいか。高校生の慣れない日本舞踊の身ごなしや、高校生の初々しさとか、ひたむきさみたいなものだって、十分に鑑賞にたえるって思う。問題は、そんな舞踊、誰に教わる?着物なんてどうやって手に入れて、着付けはどうする?ってことなんだけど、これについては、また、明日。書くネタは大切に小出しにしないとね。おっと、この交通安全出発式、4月4日(土)午前10時から米沢市置賜総合文化センターホールで行われる、と宣伝を。

 

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