ステージおきたま

無農薬百姓33年
舞台作り続けて22年
がむしゃら走り6年
コントとランとご飯パンにうつつを抜かす老いの輝き

みんなで楽しめ!台本読み

2009-04-21 18:58:37 | 教育

 台本の読み合わせ、ただ今進行中。遅々として進まず。いつものことだけど、2時間かけて3ページなんてことざら!どうすんのまだ100ページもあんのに、って嘆くのも定番になってしまった。

 今回の『LOST SEVEN』去年の野田秀樹『キル』に比べたら数段、いえ数十段わかりやすいと思うのに、なんだ!って腹を立てながら、繰り返される外れたせりふ回しを我慢している。のは、僕だけじゃない。回りで自分の出番を待ってる奴、スタッフなので仕方なく聞くしか無い奴、もう!いい加減にしろ!って怒鳴りたい気持ち抑えて、眠い目こすりつつ、台本に目を落としてるんだよ。顧問に見つからなけりゃ、とっくに居眠りしてるぜ、って停滞した状況をだらだらと過ごしてる連中は、9割方に及ぶんだ。

 彼らの怒りのビームをへまし続ける奴らにレンズで集光したら、きっと奴らはめらめらと燃え上がることだろう。なんて、不穏な発想も頭をもたげる。いかんいかん!待つことこそ教育じゃないか、と心をなだめつつ、さて、このでれーっとした退廃ムードをどう切り抜けたらよいものか?ただひたすら聞くしかない辛い身の上の端役難民を救う手だてはないか。

 そこでまた、コンテストだよ。今回は、ブラウバルトって言うお馬鹿な皇帝のせりふを2,3年生全員に振り付きでやってもらうことにした。せりふはこうだ。「ほらほら、声が小さい。そんな歓声では、ミーのパフォーマンスは始まらぬぞよ。」「オーケー、オーケー。今日のオーディエンスも、いい子ちゃんざんすねー。ミーは満足じゃぞ。」

 ね、お馬鹿でしょ。これ昔のトニー谷とおそ松君のイヤミの合体ってところかな。当然めちゃ面白にしなくちゃだめなわけ。で、コンテスト。16人、スタッフもみんなともかく知恵を振り絞り、アイディアを出しまくり、恥と外聞をかなぐり捨てて、演じてもらったよ。これかなりの見物なの。いや、上手くはないよ。ほとんどダメ。でも、そのダメさ加減が実に面白い。もう、一年生も大爆笑。

 ねっ、これが狙いなのよ。マジにせりふの稽古だけしてたんじゃ、腐るでしょ。それをこんな手練手管、駆使しながら乗り切るってわけよ。時間にして15分程度、費やした時間は決して無駄じゃない。この笑いが一人一人の心をほぐし、演技への扉を開くことにもなっていくんだよ。演劇初体験の生徒たち、課題は技術じゃないの。心を開くってことなの。要するに平気で馬鹿やれってことなのよ。

コメント (3)
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