「方言」が消えた。
もちろんこれは大阪弁とか京都弁そのものが消えたという意味ではなく、特定の地方で話されている日本語を〇〇方言と言い表すことがなくなった(なくなりつつある)ということです。
気づいていますか?
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今から4年前、NHKのドラマ「ちゅらさん」が放送されました。独特の沖縄言葉が話題になりました。実際のウチナーヤマトグチのアクセントとは随分違ったようです。集中放送で再放送されていたときに気づいていたことでしたが、タイトル字幕に、「沖縄ことば指導」と入っていたと思います。あれって思いました。
3年前(2002年)、同じくNHK大河ドラマで「利家とまつ-加賀百万石物語」という番組がありました。これも、オープニングで「尾張ことば指導」「加賀ことば指導」と入っているのを見て、NHKは方言という表現をやめるつもりだなと感じました。
方言は地方の言語の省略です。それ以前は訛りと言っていました。地方とは中央に対応する概念ですから、中央じゃないところで通じる言葉。そこにはなにかしら価値判断、区別、蔑視があると考えてのことなのでしょう。でも、京ことばというのは固有名詞として定着していると思いますが、大阪ことば(大阪弁)、北海道ことば、沖縄ことばといわれると、何か腑に落ちません。関西弁…なんて言い替えるんだろう。東北弁…どうするんだろう。こうすることがpolitically correctなのでしょうか。
NHKのアナウンサーの日本語は、日本語の変化のちょっと後を行く。〇〇〇という発音をしても視聴者からクレームをもらわないと思わなければ、頑固に言葉を変えません。方言という言葉を使わないのも、何かしらの確信があってのことでしょうか、でも、関西弁と、言う言葉がなくなるのかな。
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沖縄言葉によるサイトとしては、okinawabbtv.comの「沖縄の今を沖縄の方言で!おきなわ方言ニュース」というものがあります。このサイトは堂々と(?)方言と言っています。
おじいとおばあ(失敬)が一日おきに5分間ほどのニュースを読んでくれています。字幕があるので、何の話かはわかりますが、字幕がなければ僕には全くわかりません。おもしろいので、是非見て・聞いてください。
「方言」と言葉については、NHK以外ではまだ〇〇方言と表記しているようなので、放送局の統一基準ではないようです。今後どうなっていくか、見守っていきたいと思います。