産経新聞によると以下のようになるそうである。
2005.09.19 都立高校の無免許教諭問題 都教委が一括チェック
対応厳格化、採用取り消しも
東京都教育委員会は9月18日、赴任予定(*1)の学校長が行っていた新規採用者の教員免許の確認を、都教委が一括して行うよう変更することを決めた。
年度内に免許の有無を確認できない場合は採用を取り消す。
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無免許教員が教壇に立ったことは前代未聞で、都教委は「あるはずはないと思い込んでいて確認が甘くなっていた」と釈明し、急ぎ確認体制を見直すこととした。
中略
男性は既卒者だったことや、「採用試験に合格した人が無免許であるはずがない」(都教委)との思い込みから、確認が遅れたとしている。
*1 着任することになる学校
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この事件が表沙汰になり、それを無免許教員のエントリにも書いたけど、結局は思いこみから来る事故だった。しかし、僕は広い意味でインサイダー(埼玉の県立高教諭)だから、管理職の感じ方も何となくわかる。校長にしても事務長にしても、そんなことを疑ってかからない。そもそもそんなこと、あったらいけないことなのである。
都教委は「思いこみ」といっているが、これはミスとは言えない。採用されようとするものを信用する行為である。
今回のことで、校長はじめ5人も処分になっている。お気の毒である。
そもそもこのウソをついて教壇に立ってしまった”元教員”が一番悪い。この人、本当に失職だけでお咎め無しなのかな。どんな処分になったかその後はわからず、このままかも知れない。
でも、それでいいのかな。
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教育職員免許法第1章(総則)、第5章(罰則)には、以下のとおり規定されている。
第3条 教育職員は、この法律により授与する各相当の免許状を有する者でなければならない。
第22条 第3条の規定に違反して、相当の免許状を有しない者を教育職員に任命し、又は雇用した場合には、その違反行為をした者は、30万円以下の罰金に処する。
2 第3条の規定に違反して、相当の免許状を有しないにもかかわらず教育職員となつた者も、前項と同様とする。
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簡単に言うと、無免許のものは教育職員に雇ってはいけないよ、無免許のものは雇われてもいけないよ、ということだ。
…杓子定規にすれば、任命権者と本人は罰金最高30万円だ。
石原都知事、30万円以下の罰金ですぞ。自治体職員は究極的には知事任命である。
…本当の任命権者は教育委員会です。
もっとも、この条文をどう解釈するのか、前例がないことなので困ってしまいますね... 「免許状を有しないものを教育職員に任命し、又は雇用した」といっても、知っててそうしたのか、知らずにそうしたのか、確認を怠っていたのかどうなのかで判断は分かれるでしょう。ただし、第22条の2の規定に関しては判断は分かれない。自分は持っていないの知っているんだから...
何か釈然としないまま、記憶から消えていく事件なのかも知れません。