言葉を形にして、記録する道具。ワープロ。
自分の文が活字になって印刷できたときうれしかったな。職場に導入されたとき、ベテラン先生が僕に聞いたことがあった。
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「先生。ワープロって何の略語」
「ワードプロセッサですよ」
「そうか。言葉に詳しいからなんですね?」
「… ? …」
「言葉の教授でしょ」(ベテラン、納得して消える)
「… ? …」
(プロフェッサーだと思ったのかな、僕、そんなに発音悪いかなあ)
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自分のお金ではじめてPCを買ったのは、大学生の時。節約とバイトをして、当時の最先端コンピュータ(マイコン)、SHARPのMZシリーズを買うことができた。高かった。
就職して数年後、NEC9801シリーズと出会った。便利さに圧倒され、電動タイプライターを買うつもりでしていた貯金(給料から節約)と、少ないボーナスを握りしめ(大げさだね)で秋葉原でPCを買い求めた。
かなりの金額を作ったつもりだったけど、それでも、ソフトウエアを込みで購入することができなかった。NECの製品購入を断念して、EPSONの98互換機と、MS-DOSと、今はもうない(のかな)、北海道のdb SOFTという会社のP1.EXEというワープロを買った。外付けHDDドライブが、1Mb=1万円の時代、もちろんFDベースで使うソフトウエアだった。
今でこそワープロはマイクロソフトのワードとジャストシステムの一太郎しか通常手に入らないけど、当時はそれこそいろいろあった。限られた予算で買えるソフトから、何を買うか随分悩んだものだった。今考えると、機能的にも随分幅があった。玉石混淆とはこのことだと思う。(仕事で)触ったことのあるワープロソフト、僕は数多くある。
一太郎、ワード、松シリーズ(管理工学研究所)、P1.EXEとその後継ソフトARUGA、アシストワード&アシストレター、オーロラエース。。。(随分いろいろあるなあ)
英文ワープロのduetや、ワードパーフェクト、ツインスターなんかも触ったことがある。
職場で導入したもの、ショールームで触ったもの、自分で購入したもの、、、いろいろある。
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僕は英語教師。はじめて、duetでスペルチェックができた時の驚きは今でも覚えている。強烈な印象だった。なんて便利なんだと、びっくり&感動した。
自分で最初に買ったのは、P1.EXE。でも、徐々に一太郎、ワードと購入し、現在に至っている。ただ、これらのワープロソフトよりも、僕はあるソフトが一番手になじんでいる。スペルチェックをはじめ、マルチ言語対応、FONTも豊富。ワードパーフェクトは好きなワープロソフト。でも、残念ながら、製造元ワードパーフェクト社も、その会社を買ったノベル社、COREL社も、バージョンアップをしてくれず、バージョン8で日本語版の命運はつきた。
僕は現在でも教材作りにこのソフトを使う。ウェブサイトのhtmlもこれを使って書くことがある。
玉石混淆だったワープロも、淘汰されて、事実上ワードの一人勝ち。一太郎は国民機(機じゃないか。ソフト)としての命脈を保っているが、昔を知るものとしてはちょっと寂しい。バージョンアップや新ソフトがでると、今度はどこがよくなったのかな、新しい機能は付いたのかななんて考えるのも楽しかった。今は機能満載で使い切れない重装備ワープロばかり。文書の互換性や利便性は今の方が間違いなくいい。でも、何かおもしろみはないかも知れない。
それだけPCとワープロソフトがスタンダードになり、趣味や興味の世界から、ビジネスの世界の当たり前の存在になったのかもしれない。
ワープロ(ソフト)…
書くというかなり個人差のある作業。筆記用具も紙の好みも字の大きさも十人十色のはず。でも、そんな作業をする道具のワープロは事実上の統一規格ができてしまった。良いことだとは理解できる。でも、ペンと原稿用紙が決まっている。僕は何か不思議な気がする。
懐古趣味かも知れないけど、もう一度一太郎のv.3あたりを使いたいな。Windows(エミュレータ)上で使えるようにならないかな。。。