みずほ証券の誤発注問題で、与謝野金融担当大臣が発言した。
客の注文を取り次ぐ一方で、自分の会社の自己売買部門で同業者(みずほ証券)のミスに乗じて、自分の会社のもうけを得ようとジェイコムという会社の株式を大量取得した証券会社。その行為を、「美しくない」と批判したようだ。また、「今回の行動は、心温まる『ちょっといい話』を載せた本には決して掲載されない話だ」とも述べた。
何となくそんな感じがする。でも、じゃあ、法律に違反しているかというと、違反ではない。証券会社は故後藤田さんの言葉を借りれば、「利益は美徳」の民間企業なのである。文句を言われる筋合いのものでもないとも感じているかもしれない。まあ、全体を通してみると、あんまり気分のいいものではない。その点、美しい話しではないと思う。
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今回のこの件、変なところに波紋を広げている。
ケーブルテレビ会社にJ・COM(ジェイコム)という、今回の件とは全く無関係の会社がある。ホームページにもこんなことを掲出する羽目になっている。
【お知らせ】
12月8日に東証マザーズに上場したジェイコム株式会社(本社:大阪府大阪市、代表:岡本泰彦、証券コード2462)は、総合人材サービス事業やマルチメディアサービス事業を展開する企業で、株式会社ジュピターテレコムとは全く別の会社です。弊社は、J:COM(ジェイコム)のブランドで全国の19社34局を通じてケーブルテレビ事業を展開しており、お蔭様で今年3月23日にジャスダック市場(JASDAQ)に上場いたしました(証券コード:4817)。
間違えて株式を売り買いされるとこの会社の株価にも影響が出るのかな。。。 いい迷惑だね。
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今回の件で一番迷惑を被ったのは、間違えて1円で売られちゃった、ジェイコムさん。
たくさんの人に株を買ってもらって、評価をされようとしたのに、株価はめちゃくちゃ、株式市場での取引も停止されてしまって。。。
美しい話しではない。
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その後与謝野大臣の発言を敏感に感じてか、USBなど6社がみずほ証券に購入利益168億円を全額返却することを検討し始めた。
自民党からも、「火事場泥棒」との批判が出ている。
…思いもかけない強さで批判が出たからびっくりしたか。
でも、この取引は合法で、おまけにすでに決済している。どうやって、「返す」のかも注目だと思う。一時的とはいえ、所得が発生したのだから、返しても税金はかかるはずだし、もうけを放棄すると、それぞれの株主からは怒られそうだし。
みずほの損失400億円強のうち、4割は、「なかったこと」になるのかな。
みずほ証券の発注ミスに付け込む形で、多額の利益を「得た(得損ねた)」のは、昨日の報道だと、以下の6社。
UBS
日興コーディアルグループ
モルガン・スタンレー・ジャパン
リーマン・ブラザーズ証券グループ、
クレディ・スイス・ファースト・ボストン証券
野村証券
まだまだ不確定要素があるけど、ひとつだけ確実なことがあると思う。それは、いずれにしても、「美しい話しではない」と、いうことだ。