スペースシャトルエンデバー号が無事地球に帰ってきた。これが最後のミッションである。
(写真はNASAのウェブサイトに掲出されていた、エンデバー号着陸時のもの。)
打ち上げの時に改めて考えさせられたことが、エンデバー号打ち上げ成功という表現である。何となく、宇宙に行けてあたりまえように見ているが、そうではない。それを再認識させてくれる表現だと思う。
スペースシャトル・オービタ5機のうち2機は失われている。チャレンジャー号は打ち上げ時、コロンビア号は大気圏突入時、それぞれ事故が起きている。7名ずつのクルーも全員死亡している。
オービタ名称 | ミッション | 搭乗者 延人数 |
コロンビア号 | 28 | 160 |
チャレンジャー号 | 10 | 60 |
ディスカバリー号 | 39 | 252 |
エンデバー号 | 25 | 148 |
アトランティス号 | 32 | 191 |
総ミッション数、134。搭乗員延べ人数は811名。
アトランティス号については、今年予定されている最終フライトを除外している。
無事帰還できなかったミッションを失敗とすると、2回の失敗。死者14名である。事故率1.49%、死亡率1.72%である。比較対象にはならないことをわかった上で数字を出すが、米国の国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機搭乗中に死亡事故に遭遇する確率は0.0009%である。米国内の航空会社だけを対象とした調査では数値はさらに低くなり、0.000034%である。これは、8200年間毎日無作為に選んだ航空機に乗って一度事故に遭うか遭わないかという確率。アメリカ国内において自動車に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.03%である。
打ち上げ成功... 自動車や飛行機に比較すると、あまりにも危険。うまくいったら、スタッフの努力が実って事故に遭遇しなくてすんだ、ありがたいと思わなくてはいけないような確率。成功という言葉を使うのは、間違いではない。正しい表現だ。
+++++ +++++
NASAウェブサイトに掲出されている写真等は、制限が明示されている場合を除きnot copyrightedである。でも、マナーとして出典は記載する。