枝野官房長官によれば、内閣改造ではないとのこと。官邸ウェブサイトの情報の書き方もちょっと変な感じである。
【トップページ】 > 【菅内閣 閣僚名簿等】 > 【菅第二次改造内閣閣僚名簿】とすすむと、閣僚名簿を、「平成23年1月14日発足、6月27日現在」という書き方をしている。今回の大臣任命は、微調整であって内閣改造ではないということだ。一生懸命探したのだが、本日の官報ウェブサイト掲出情報の中に、閣僚任命にかかるものは見つからなかった。国務大臣の海外出張時、職務を他の大臣に一時的に任せること、当該大臣の帰任にともない、元に戻すことのようなことも官報に載る。大臣の任命情報(人事情報)が出ていない。大臣就任は天皇陛下から辞令をいただくくらい、大事なことなのだ。
なんかおかしいと思う。
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6月27日付けの閣僚の新任、所掌事務の変更をまとめておこう。上のような状況なので、官報ではなく、官邸ウェブサイトの情報、新聞発表を参考にした。
東日本大震災復興対策担当
・内閣府特命担当大臣(防災)
松本 龍
東日本大震災復興基本法第14条に規定される、東日本大震災復興対策担当大臣(内閣総理大臣の命を受けて、東日本大震災からの復興のための施策の推進に関し内閣総理大臣を助けることをその職務とする国務大臣)
なお、松本大臣は内閣府特命担当大臣(防災)はそのまま継続担当するが、環境大臣ではなくなる。環境大臣の職務は、江田五月法務大臣が兼担する。
内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)
・節電啓発等担当
・原発事故の収束及び再発防止担当
細野豪志
仕事の順番は、官邸ウェブサイトの記載順である。
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松本大臣は復興対策担当大臣ではあるが、本来は防災を担当する内閣府特命担当大臣である。細野大臣も原発事故担当大臣ではあるが、本来は消費者及び食品安全を担当する内閣府特命担当大臣である。二人の大臣は、そういう行政機構の上に乗っかることになる。松本大臣の復興対策担当、細野大臣の節電啓発、原発事故担当は、3月11日以降の業務である。追加の業務なのである。行政機構の本来業務ではないので、手足になる組織を、一日でも早く作らなくてはどうにもならない。他省庁から併任で人を集めるしかない。
復興対策については、曲がりなりにも法律ができているが、さて、原発事故担当、広い意味でのを原子力行政をどうするのだろう。疑問に思う。
現在、原子力政策(推進と規制)は、経済産業大臣の所管である。細野大臣は海江田経済産業大臣の下で、首相補佐官として仕事をしていた。その彼を、原発事故収束及び再発防止担当の大臣(閣僚)にしたのが、今回の人事である。
福島第一原発の事故対策を契機に、原子力行政のうち規制分野を別組織・大臣に所掌させるつもりなのはわかる。方向性は正しいだろう。でも、それは将来像である。現在するべきことは事故収束なのであり、再発防止等の規制監視体制を作る業務ではない。原子力政策に関わる資源エネルギー庁も原子力安全・保安院も、経済産業省の外局である。細野大臣の手足になるべき組織は、これらなのである。大臣就任はムダとは言わないが、時期を考えない人事だろう。首相補佐官のまま、もしくは経済産業副大臣にした方が、よかったのではないか。
なお、海江田経済産業大臣は、現在でも原子力経済被害担当の大臣である。業務の切り分けなんて、全然できていないと思う。
閣僚ポスト数の関係で、蓮舫(村田蓮舫)内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、行政刷新)が閣僚をはずれた。新聞等ではポスト数の制限のため、蓮舫大臣ははじき飛ばされたというような書かれ方もしていたが、違うだろう。問題、ミスも目立ってきていた。引き時であると思う。所掌の業務は、枝野内閣官房長官(行政刷新)と細野豪志新大臣(消費者及び食品安全)が兼担する。
元々官僚組織、公務員組織を敵視(蔑視)する傾向の強い、結果として、役人の使い方がなっていない人たちの多い政権で、うまく仕事が進むのだろうか。うまくいかなかったら、また公務員組織のせいにするのだろうか。