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新・遊歩道

日常の中で気づいたこと、感じたこと、心を打ったこと、旅の記録などを写真入りで書く日記です。

中世からの黒い服の流行をたどって・・・

2023年07月02日 | 美術館&博物館
新聞で10cmほどのこの石像を見たときにはっと胸をつかれました。これほどの悲しみを表現した絵や彫刻を見たことがありません。顔の表情は見えないのに体全体、いや服装に、深い悲しみが漂っているのです。

この「フィリップ・ポーの墓所」は制作が15世紀半ば、ルーブル美術館所蔵だそうですが、見た記憶はありません。美術館巡りのチェックリストに入れる知識も情報も持ち合わせていませんでした。今となってはとても残念です。

そうそう、これは日経文化欄『黒のモード』シリーズの中の1枚で、現在進行中です。
第1回の「善良公フィリップの肖像」は、漆黒の喪服が美しいブルゴーニュ家の君主の絵でした。

服飾史家・徳井淑子さんが『表情に乏しく見える黒だが、実はヨーロッパの歴史を饒舌に語る色だ。野暮と洗練、清貧と贅沢ーー。両極端のイメージを持つ黒い服の流行を中世から20世紀までたどる』というコンセプトで10枚の写真で解説されます。
黒の衣装の起源を服飾史、風俗史、宗教感の観点から解説されてとても興味深いシリーズになっています。

私の脳裏に残っているレンブラント、マネ、ホイッスラーの絵画は、どれも真っ黒の衣装とレースの白を強調したものです。今、その謎が解けていく最中でワクワクしながら読んでいます。




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