<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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週刊新潮を読んでいて俳優のすまけいが亡くなっていたことを知ってとっても残念な気持ちになってしまった。
久しく姿を見かけないと思っていたら死んでいたのだ。

すまけいの名前を聞いてすぐに思い出すのはNHKで放送された井上ひさし原作「國語元年」。
私が各地方の方言に興味を持つようになったきっかけの一つで、放送された30年前、この作品に「お公家さん」役で登場したのがすまけいなのであった。

すまけいを見たのはこのドラマが初めてで、眼力の強さと役柄の京都弁の白々しさが強く印象に残った。
正直のところ以後、長時間ドラマの端役などで登場する以外は大きな役のすまけいを見たことはなかったのだが、もともとが劇団こまつ座の俳優さんということで、舞台に面白みを見いだした俳優がテレビに出ることが少ないということは知っていたが、やはり個性的な人が見られないのは、かなり寂しいことなのであった。

ところで、國語元年は主演が石田えり、川谷卓三、その周囲をちあきなおみ、浜村淳(あいがとう、ではない)、佐藤慶、島田歌穂などが固めている卓越したドラマだった。
このドラマ。
なかなか再放送されないのが辛いところだが、各地のお国言葉が一同に介してドタバタが展開されるその様子は、なんともユーモラスであり、かつお国言葉のもたらす文化の厚みを感じさせ、今なお忘れがたき物語となっている。
中でもすまけい演じるお公家さんは、そのいい加減さ、偉そうぶり方、みみっちさがよく出ていて、最も印象に残っているキャラクターの一人だった。

なお、もう一つ方言に興味を持つきっかけになったのはNHK教育で放送されていた金田一春彦教授による方言講座だったが、この話題は別の機会に。

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