何が悲しくてこんなに歩かなくてはならないのか。
成田空港第3ターミナルは公共交通との繋がりがなく、電車に乗るためには第2ターミナルまで公称600メートルの通路を延々と歩かねばならない。
重いカバンを引きずって、エスカレータを上り下りしながらてくてくと歩くこと20分ほどかかる。
通路にはエアコンはなく、夏場は暑く冬場は寒い。
雨が降ると天井と壁のすき間から雨が吹き込んでくる部分もある。
私がLCCを利用して関西空港から成田空港へ飛ぶ時はピーチエビエーションを利用していた。
成田空港でのピーチの搭乗口は第2ターミナルのANAのエリアの一番端っこにあったからで、同じLCCのジェットスターは第3ターミナルにあったから。
このピーチの搭乗口が第3ターミナルに変わっていたのを知ったのは今週の月曜日。
東京都内の大学での研究会の会合に出席するため自腹で安物のチケットを買って東京に移動したときなのであった。
「ん?いつもと景色違うやん」
今までであればピーチはターミナルから延びたボーディングブリッジに接続され、そこからターミナルを抜けて京成電車の駅まですぐなのであった。
それがボーディングブリッジではなくタラップ階段が横付けされ階段をトボトボ降りていくではないか。
横を見ると春秋航空の旅客機が駐機され、反対側にはジェットスターが。
「なんてことだ......」
ピーチは10月27日から魔の第3ターミナルに搭乗口が変更されていたのだ。
この変更は旅の予定に大きく影響する。
飛行機が到着してから電車に乗るまで40分かかることはざらにあり、帰路についてもギリギリに到着すると飛行機に乗ることが難しくなり、長さ600メートル、高低差20メートルの通路をダッシュしなければならなくなる。
こういう不便極まりないターミナルビルを建築した発想はどこから出てきたのだろう。
土地がないのか、土地があっても反対過激派を未だ警戒する中途半端国際空港なので安全のために設置箇所が限られるのか。
このターミナルを使うたびに成田空港は不要だ、と強く意識してしまうのだ。
ということで、魔のターミナルに移ったピーチを使うのであれば、座席に余裕のあるジェットスターを使うことになるだろうなと思う私なのであった。