デモ活動中に政府公安側の暴力を受けて危篤状態だった学生が亡くなった。
このニュースは昨日、日本国内でも大きく報じられ、現地の民主化を求める群衆の慟哭がたちまち巨大なものになってきたことを感じざるを得ない。
とはいえ。
冷めた目で見ると今回の一連の香港民主化運動の成功率はゼロではないかと私は予想している。
法律改正は撤回されたものの、時間が経過すると再び上がってくることは明白で、政治体制の異なる香港とメインランド中国のギャップは埋めようとすると必然的に中国に飲み込まれるのに決まっているからだ。
香港は自分たちの体制を守りたいのであれば、それは「独立」しか手段はない。
中国からの独立となれば話は異なる。
中国本国が黙っているはずはなく、もし認めれば複数民族が混在し、しかも民族に一体感のない中国はたちまち分裂の危機に見舞われる。
ウィグルやチベットの問題だけではなくなるのだ。
だから中国は香港の独立は認めないし、スタートレックのボーグ集合体のごとくいかにして民主化連中を同化するのかを現在も模索しているわけだ。
誰かが亡くなり、それがシンボライズされてしまう。
民主化運動は常にこういう事件と感情がうずまき世界中に報道されるが、なにかを成し遂げたものは非常に少ない。
香港市民の民主化要求は次元タイマー付きのものしか認められることはないだろう。
気の毒だが、それが中国とその領土なのだ。