<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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元首相の中曽根康弘氏が亡くなった。
享年なんと102歳。
死去のニュースを聞いたことがなかったので恐らくご存命のことと思っていたのだが、昨日のニュースに接して改めて長命であったんだな、とつくづく感じたのであった。

そもそもはじめて入閣したのが安倍晋三元首相のおじいちゃんである岸信介内閣のことだというのだからすでにそのことをリアルタイムで知っている人も少ないのではないか。
それから延々と平成時代しかも21世紀まで政治家として活躍したのだから稀有な人というしかない。
すでに好き嫌いで判断するような対象ではないように思う。

実績もいいことから悪いことまでバラエティに富んでいるが、代表的なものに国鉄をJRにして、電電公社をNTTに、専売公社を日本たばこ産業に変えたことで、そのうちJRは赤字垂れ流し、国家予算食いつぶしであった国営鉄道から税金をきっちりと払う優良大企業JRグループへと変幻したのは最大の功績といってよいと思う。
でも、そんな最大の功績以上に大きく影響したのは日米の繋がりをより強固にしたその外交政治手段だった。

当時の米国大統領であったロナルド・レーガンと中曽根首相の蜜月はそのまま冷戦終結の連携に繋がり、日米同盟と以後の現在まで通じる国家トップ間における付き合い方の基本となっているといっても言いに違いない。

互いを「ロン」「ヤス」と呼ぶ姿を「ドナルド」「シンゾー」と呼び合う現在の日米トップの交友関係にも見て取る人は少なくない。
人は亡くなると悪い面は精算されるのが日本の文化だが、そういう面が今生きているのはとってもいいことではないかと思う元首相逝去のニュースなのであった。



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