萬文習作帖

山の青年医師の物語+警視庁山岳救助隊員ミステリー(陽はまた昇る宮田と湯原その後)ほか小説×写真×文学閑話

文学閑話:万里風光×『太陽と戦場のシルクロード』

2014-01-14 23:44:25 | 文学閑話散文系
生命、沙漠の水に 



文学閑話:万里風光×『太陽と戦場のシルクロード』

 葡萄美酒夜光杯  葡萄の美酒 夜光の杯  
 欲飲琵琶馬上催  飲まんと欲すれば 琵琶馬上に催す
 酔臥沙場君莫笑  酔うて沙場に臥すとも 君笑うこと莫かれ
 古来征戦幾人回  古来征戦 幾人回る

 美味いぶどう酒を 夜闇にも光る玉杯へ満たす
 飲もうと唇つけかけて 馬に乗ったまま奏者が琵琶を弾きだす
 酔っぱらって沙漠に寝転んでしまっても 君、笑わないでいてくれよ?
 昔からずっと戦争に出掛けたら 何人も帰って来られないのが現実なんだ。
 僕だって帰られるか解らないんだからさ、今ひと時この酔いを楽しませてくれ。

王翰『涼州詩』です。
高校の教科書で初めて読んだとき憶えました。
で、最近かった本を読んでいて思いだしたんですけど、

並河萬里『太陽と戦場のシルクロード』

古本屋で見つけて買ったんですけど昭和54年発行、三十年以上前の本です。
カメラマンによるシルクロードの撮影記なんですが文章がかなり綺麗で驚きます。
風景描写や章名のセンスに文章の組み方、どれも正直に言って最近の作家さんよりプロです。
作者は1931年生まれで戦前教育を受けている方ですが、昔の国語教育が佳かった事を想わせます。
で、シルクロードに行ってみたくなります、笑

いちばん最初に読んだのは122ページ「赤い砂漠」からなんですけど。
タイトルの「砂漠」は正確には「沙漠」と表記する方が正しいんですよね。
砂=石が小さい、沙=水が少ない、なので水が枯渇している場所=沙漠が正しいそうです。
この「赤い砂漠」に描かれる一つが「乾き」水の国である日本の尺度では量れない沙漠の世界でした。

指という指が罅割れ切れて血が滲む、

そんな表現が出てくるんですけど、山野の湧水+海風で湿度の濃い日本では無い現象です。
それを鮮やかに描かれている沙漠の光景は炎天と静寂の繰り返しで惹かれます。




で、これから『Savant』の加筆校正またします、
それ終わったら『Aesculapius』か『Eventually Comes True』の続きを掲載予定です。

取り急ぎ、





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山岳点景:静謐の白

2014-01-14 13:02:01 | 写真:山岳点景
雪ふる朝に



雪降る朝のワンシーン、戦場ヶ原@栃木県奥日光。

明るい曇り空は光あわくて、けれど雪面に蒼い風紋を描きます。
山も空も白紗の向こう霞んでしまう、青と黒と白に朝は鎮まっていました。




さっき第73話「残像5」加筆校正版を貼りました、英二シャープVer続いています。
ここ最近はシリアスが多い英二ですがちょっと崩したヤツ書きたくなりますね、笑

このあと週刊連載『Savant』+『Aesculapius』の予定です。
明日は1月15日=元・成人の日なんでソレ系になんか書こうかなと。

昼休憩に取り急ぎ、




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Short Scene Talk ふたり暮らしact.2+2―Aesculapius act.12+2

2014-01-14 01:44:03 | short scene talk
二人生活@letter×home
Aesculapius第2章act.1とact.2の幕間



Short Scene Talk ふたり暮らしact.2+2―Aesculapius act.12+2

「ただいまー、あ照(玄関あけたらスグ雅樹さんの匂い嬉照)」
「ん、雅樹さんの靴やっぱ大きいね?(俺のと並ぶとよく解かるねっでもスリッパは同じだね)」
「お揃い色違いのスリッパイイねっ(笑顔)さて、」
「オヤジ、おふくろ、ただいまっ(笑顔)…あ、(ダメだね泣いちゃ)」
「ふ…っ、ぅ(写真にただいまってやっぱ寂しいねでも慣れないと…でも今すこしだけ)」
「…ぅ、っ…オヤジ、おふくろ、泣いたってコトっ…ないしょにしてよね?(泣笑顔)あ、いいモン買ってきたよ?」
「はい、夏蜜柑。オヤジ、おふくろに剥いてあげてよね?(オヤジもおふくろも好きだったね家の庭のを取ってさ)」
「…俺、泣いてばっかいちゃダメだね、雅樹さんに心配かけちゃうね?(笑顔)さて、(買って来たモン冷蔵庫に仕舞わないとね)」
「まず掃除しよっかね?洗濯モン畳んで、(きっと雅樹さん掃除とかする暇ないモンね、あ)」
「ん、(これ登山ザックにいれとこ忘れないようにねっ嬉)」
「…ね、おふくろ?コレ、雅樹さん喜んでくれるかね?(きっと喜ぶわっておふくろなら笑ってくれてるね?)」
「さて、上の書斎から掃除しよっかね(はたき掛けからしようかね)」
「この部屋イイね、本いっぱいでさ(笑顔)(ちょっとオヤジの書斎とカンジ似てるね)」
「あ、ワーズワスがあるねっ(分厚いねコレ)ロンサール、ユルスナール、コッチってランボオだね(笑顔)」
「医者の本も多いけど、なんかフランスの多いね?オヤジの影響ってヤツかね?(オヤジ仏文科ってヤツだったらしいしね?)」
「ちょっとキッチリ拭こうかね(本が傷んだら困るし乾拭きだね)」
「んっ(背の高い本棚だね雅樹さんノッポだしね椅子に載ったら一番上も届くかね)んしょっ、」
「ん、届くね(笑顔)(きっちりキレイにしてあげたいね家では気持よくノンビリしてほしいしね)」
「あ、ドイツ語のもあるんだね?(医学用語ってドイツ語もあるんだっけね山もドイツ語が多いし)」
「よいしょっ(手が届くかねあ)あっ、」
「落しちゃった辞書(困顔)(どうしよう折れてたら困るねページチェックしないと)」
「ん、大丈夫そうだね(笑顔)あれ?」
「…なんで(こんなとこ封筒があるんだろね?)あ、」
「これ…オヤジの字?(ってことはコレってオヤジが書いた手紙だね)」
「ん…(勝手に見たら悪いよね?でもオヤジが何考えてたとか知りたいねどうしよう)」
「オヤジ…コレ、読んでもイイかね…読ませてほしい、ね?」




Aesculapius第2章act.1とact.2の幕間、昨日の続きです。
光一@湯島自宅、ちょっとシリアスなシーン含むってカンジです。

第73話「残像5」加筆校正まだします、が眠くなったので寝ます、笑
明朝or昼に校正Verを貼る予定です、なんか遅くなってますが。

明日は週刊連載とAesculapiusの続きを予定しています。
Eventually Comes True は明後日に続きかなと。

取り急ぎ、




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