よっちゃん農場のドタバタ日記

「よっちゃん農場」の日常。
 ~いち農家から小さなブランド作りの奮闘記~~

たけのこ茹で。

2020年05月10日 | 農家の風景。

久しぶりの雨。ちょうどいい雨。


庭の影っこにある山吹がとてもキレイに咲いています。


ちょっと疲れがたまってきたので、一回休憩しようとタケノコ山はお休みに。

地元の方からお弁当のご注文頂いて、今日は久しぶりに。





たけのこふんだん。山菜づくし。

母の日なので山吹の花も添えました。

夕方早くあがってビール片手に映画でまったり。

もう何度目かになるmission-Impossible。何度見ても面白い。


たけのこ茹で。


掘ってすぐ薪で茹でてますが、この白い泡がアク。

たけのこの固さ。

これは掘ってからの時間と、一回目の茹でで決まります。

生をお買い上げの方には「沸騰してから40分〜1時間」とお伝えしますが、

薪風呂があたたまる、というのと一緒で薪の場合は熱の入りがいいので、

沸騰したらすぐ火を消します。

たけのこの固さ。の意味の違い。

たけのこを販売始めた当初「やわらかいの!やわらかいのが欲しい!」

という声に応えなくては、と沸騰してからも30分ぐらい炊き続けていました。

一晩置いて食べてみると、やわらかい。正解だと思ってました。


けれど、お弁当の心の師匠、岩出山キッチン城山のお母さんと、

 タケノコ調理の話した時にいわれました。

「なんだべ〜、あんだっ!

  そんなに煮たらばタケノコの食感も旨味もぬけっぺっちゃ!」

と。

そっから色々試行錯誤して、なるほど、と腑に落ちました。

それでたどり着いたのが、沸騰したら火を落とす(薪の場合)。

山菜はアクがあります。

もちろんアク抜きは必要ですが、アクの苦味もまた旨味。

たけのこは一回目にアク抜きして、さらに煮たり焼いたり揚げたり料理します。

掘ってから一度目でとことんやっちゃうと、アクも抜けきり食感もベロベロに。

それでは ただ柔いだけ。

ただ柔い、と、ちゃんと噛む食感のある柔いは違う。

このあたりは言葉では伝えにくく、経験しないとなかなかわからない事かもしれません。

炭焼きやってたときも、いい炭焼くのになんでなんで?と、何冊も本を読み漁っても、

結局経験から得てしか得られない答えがありました。



産地と産物と旬。


そういうところを伝えるためのタケノコ産直ルートを作って2年目?か。

いいご縁ができて生産者の私、運んでくれる流通の方、小売店へ運んでくれる方、そして小売店。

関わりのなかった分野の事も知り、教えられ、まだまだこれから。



なんと便利な! 産物を届ける仕組みがこんなにたくさんある! 

と、思っていた今日このごろでしたが、

本質を置き去りになってる仕組みのなんと多いことか。

と、やってみるとたくさんの事に気付かされています。



コロナウイルスもあり、デジタルのように凹んだり凸ったり、簡単にいかないのが人間。

生活すること生きることを考える時間をもらってる人、多いと思います。


農家として、ぶれずに生きたいと思います。


ここにもついに、、、あの驚異の動物が・・・。

2020年05月08日 | 農家の風景。


連日いい天気。


竹林は気持ちがいいです。

掘っては出荷、掘っては茹で、茹でては水煮、も最盛期。

毎日眠りが浅く、夢にまで出てくるほどです。

旬だからというだけではなく、筍も山菜、取ってから時間勝負なので、

どうしても生も茹でも水煮も良いタイミングで、

とずっと頭で色々計算、考えてるのが晩酌しても離れない。




薪材も竹。新しいのは釜を傷めるので間伐して積んでおいたもの。

圧倒的に速い。あっという間に目標温度へあげてくれます。



疲れもピーク。

来週からは南三陸でのワカメ仕事も一区切りした、

頼りになる阿部さん夫妻にも徐々に加勢もらって乗り切りたい。


(博子さんから画像拝借(^_^;))

今日は産直仲間の有機農家・色麻の和田さん親子が寄ってくれました。

朝市夕市ネットもずっと市が立てられない状況。

常連さんからも連絡が来るで気をもむけれど、早く復活したい。


時間を合わせるように鳴子・中山平のうなぎ湯【しんとろの湯】

隣接する【ゆの駅しんとろ】スタッフ佐々木くんも所用で来てくれました。


せっかくなのでみんなで竹林に行き、堀体験も少し。

短い時間でしたが久しぶりにみんなの顔が見れてよかったです。


みんな帰った後、二人で掘り作業してるとカミさんから奇声。

何事かと耳を澄ますと、ヘビやイノシシのような驚異を感じないトーンで

ゴニョゴニョ言っている。

「そっち行ったよ!!!」

と見ると、、、、、なんと! 猿!






数年前に加美の宮崎で群れていたのを見て「うわ〜大変だな〜」

と思っていたら、とうとうここにもやってきました。

賢い分、また別のやっかいが増えそうです・・・。

昼に役場の同級生から電話が来たら、近所で巨大熊の足跡通報があったから気をつけろと。


驚異は増えるばかり。



商品と風景と。

2020年05月06日 | 農家ブランド

昨日の空。 山桜と沢の青空が気持ちよかったです。

一転今日は逆戻りの寒さと雨。




近所の大農場・佐藤農場へ梅花見に訪れるお客様が、

「美味しい筍が欲しい」

と言っていたのがキッカケで数年前社長・宗一さんが紹介してくれたお客様のため、

雨の中、旨そうなところを30本ほど朝堀りしてきました。梅竹連携。

毎年春が近くなるとお問い合わせ頂き、毎年楽しみにしてくれております。

ホントは竹林にご案内したいところでしたが、雨ということもあり、配達。

開口一番 「待ってたのよぉ〜!」

こういうお客さんとのやり取り、また産物のおがる風景を見ていただく機会としても、

やれる範囲で軒先に場を設けたい。


昨日は宮城中華の鉄人・黒森さん来訪。


宮城の食材しか使わない!と、こだわり続ける、震災後宮城に来た凄腕職人。

春登場の筍たっぷりタケちゃんマンは黒森さんの手による商品です。

まだまだ藪だらけだった頃からうちのタケノコを見に来て掘って食べて、

以来ずっとKUROMORIの筍として、使って頂いてます。

今回は一変した景色を楽しんでもらいながら、掘り掘り頂きました。


たけのこ鍬の使い方も上手になってて「うまくなりましたね〜!」というと、

「俺、刃が付いてるものの扱いはうまいんですよっ!」とさらりと返されました。

天気もよく、竹林で久しぶりにゆっくりと話ができました。

職人として、経営者として、店(ブランド)を守りながら、

かつ、素材で関わる生産者と共にどう歩むか。。

そのあたりの考え方がとても共感できるもので、勉強になりました。

来年春、一緒に面白い企画をやりたい。






薪茹で大釜も2つフル稼働になりました。

これからたくさんファンが居てくれる水煮瓶詰め仕事が続きます。



「わき水と筍」

水煮は一年持ちます。それには添加物ではなく手間を加えます。

シンプルですが、風景風景言ってる以上は、そこにこだわりたい。



今年は双子、三つ子が多い、竹林です。





たけのこ、最盛期突入で第二幕【薪茹で開始】。

2020年05月04日 | 農家ブランド

昨日夕方の見回り時点で「こりゃ来たぞ!」と、箱を大量準備。

今朝は4時に山・・・けども暗い。加えて霧。

勝手知ったる山とはいえ、やっぱり暗いとおっかない。

それでも一本、また一本と掘り進めるうちに明るくなり、テンポも上がる。





ようやく盛りに差し掛かり、大量出荷。

今日は流通番長がうちまで引き取りに来ていただいて、ちょうどギリギリ。

助かりました。

出荷全量いたがきさん各店にお世話になってますが、

毎回ほぼ完売ということでとてもありがたい。

年の半分唐辛子、もう半分はたけのこ時間で魂込めているので、

結果に結びつくと単純にうれしい。

それをまた山へ還します。


先週は気仙沼・斉吉商店の生鮮便にもお世話になりました。

出始めを待っていてくれて、すぐ山へ駆けつけてくれました。

みんな大変、だから、そんな作りての味をちゃんと届けたい!という、

コロナの状況の中、生産者としてはとても共感できるギフト。

海と山ですが、目指すものに共通点があって、

専務、和枝さんと先日も、

「春の旬は南から来るから、東北に来た時点で、”え!? 今!?”と思われちゃう」

そうじゃないんだ、ここのだから旨いんだ!

を届けたいよねー!がんばろーと励ましあったばかり。とっても勉強になる方です。







山桜も満開で、日中、竹林を舞うピンク色はとてもキレイです。

コロナで自粛、とはいえ、こういう自然を相手の仕事、風景に、

興味ある人は足を運んでほしい。人数が密になればもちろんだめだけれど、

そういう【気づくべき】タイミングなのではないかと思う。

今回のことで単純に「売上」で言えば半端なくガクッと落ちています。

それだけ考えると【なじょすっぺ!】と落ち込みますが、

自分の産物や加工品が、必要という方はちゃんと手にしてくれる。

一億総活躍、と前のめりでない時間も人生を豊かにする大事なもの。



今だからこそ、そういう時間を提供できないですかね〜、と

昨日わざわざ所用で足を運んでくれた河北新報・畠山の兄貴と、竹やぶディスタンスで話しました。



連日猛暑でチョビ隊長も山警備おつかれぎみです。

ので、ご褒美にアイスを半分あげました。



今日は午後、もう一度山へ。

朝の時点で「デカすぎで生出荷はダメ」な大きさのやつを中心に60キロ。

さすがに足がもつれて大変でした。

盛りが来ると、収穫と並行して大事なのが先をつくる仕事。


「親竹」の選別

竹が筍、新芽を出すのは5〜6年が限界。

なので、山に勢いがついた時期に出てくる、葉が立派に立ち、太い精力のある筍を残し、

将来たけのこを産んでくれる親竹に育てます。

掘り作業しながら、ひとつひとつ検分してマーキングが私の仕事です。



今日もイノシシ目撃


デカイのもこんな風にかじっていきます。

今もガンガン毎朝のように竹林荒らし、でかいフンを撒き散らしてます。

が、それで土壌が肥えるのもまた事実なので分前だと割り切ってます。

2回目の帰りしな、北側隣の山の斜面で気配がしたので、シッ!・・とカミさんとサムに合図。

すると、ガサガサと中腹を歩く一頭のイノシシ。

今日のはまだ成獣ではなく5〜60キロサイズ。。

二人と一匹で絶叫して追っ払いました。


今日から第二幕。

掘りたて・薪茹で。開始です。




田植えも開始。

2020年05月02日 | 農家の風景。
最初のピーク。


週末高温予報を信じ、こりゃ大変かもしれないぞ!

と、4時前に段取りして山へ向かうも、、まだ薄暗い・・。

それでもたけのこ眼を凝らして明るくなるのを待ちつつ、たけのこ探し。

へびが苦手。

あたたくなって、昨日もマムシにシマヘビ、ヤマカガシ、とオンパレードで

二人して奇声をあげながらだったので、噛まれちゃたまらないとチョビ隊長をお供に。

タケノコ探索は苦手ですが、ヘビ探知には活躍してくれます。

結果、探し回るも思ったほどではない収量


一番気を使うのが掘ってからの作業。

質を見て選別し、根をナタで整え、土を拭き、計量して箱詰め。

この辺でもまだタケノコラッシュは程遠い感じなので、やはり今年は遅いのか、

はたまた冬の雪が少ないせいか、ちょっと心配。



やはり、突然の宣言で。

一昨日、晩飯の時親父が

「ん〜〜〜、今だ。 予報を見ると田植え適期だ!」

と宣言したところから全てが狂う。いつもだけれど、予定のすり合わせなどというものはない。

「なんで明日。こういう段取りになってっから丸一日は付き合えねーど。」

「ぶらぐ(集落)のたがっさんは植え始まった。 彼はわがってる。。。俺も同じだ」

これで終わりだ。

まだ田んぼ仕事まで気が周らない、親父担当主導なので、

そこはやりくりして合わせてやりきる他選択肢はない。




一年ぶりの古機械。昨日試運転をし、今日から本番。

稲刈りとは逆で、私が機上でカミさんが下回り。

今日の田んぼは苗運搬が大変で、猛暑もあってカミさんもブチギレ。

急いては事を仕損じる

ではないけれども、午後は機械トラブル。部品買って来ても直らず、今日はストップ。

あと何日かかるか・・・。


山桜開花。とてもきれい。竹林に多数あるのも、まもなく。


農家を継ぎたい、二十歳すぎるまで農家を継ぎたいと思ったことは一度もなかったけれど、

通学路の周り一面の田んぼに水が張られた景色は、海にいるようでずっと好きでした。

やっぱり田んぼは農家の柱だなーと思います。



タケノコも少しずつ増えてくるとメシの時間が惜しいので、今日から朝メシはおむすび。

ながら、で食べれていい。



夕方、突貫工事で来たる「たけのこ薪茹で作業」に向けて、よっちゃん下屋を単管で。

なんとか終了。


あとは増量を待つばかり。


そんな一日の慌ただしさは一切無視で、

日なたを楽しむメルである。