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Pretenderの備忘録

フィデリオ 新国立劇場

2005-06-02 22:34:38 | 音楽 Opera
予想通りというか、僕がノヴォラツスキー監督の新国のオペラに慣れてきたということだろうか。
フィデリオは何度かMetで観ているオペラだ。3時間未満で終わるし、最後がハッピーエンドだし、ベートーベンの曲はロマンチックかつダイナミックだし、地味ながら好きなオペラだ。
音楽的には、初登場のミファエル・ボーダーが、抑揚をつけながらも、全体をキレイにまとめており、合唱も華やかだった。レオノーレを演じたフォンタナは、実力をしっかりと示してくれたし、モーザーも昔に比べて衰えてきたかなあと思うところもあるものの、やはり歌いだすと存在感が違う。マルツェルーネ役の水嶋育という日本人ソプラノは初めて聴いたが、なかなかパンチのあるソプラノだと思う。吉田浩之や水口聡といった第九の常連がチョイ役で出てたりもする。
演出は、マレッリ。場面の展開が多いオペラでもないので、ステージをうまく使った空間作りだった。基本的にモノトーンに近い色彩。最後の解放をたたえる場面で、どういうわけか男がタキシード、女性がウエディングドレスで、カップルになり、結婚式のカップルが大勢という図。解放がどうして結婚?皮肉?良くわからない。レオノーレだけが真っ赤なスーツでキャリアウーマンみたいで。これはレオノーレを現代に持ってきたらそういうイメージなのかな。
ノヴォラツスキー監督は先週だったか日経夕刊の連続インタビューで、東京から新しいオペラを世界に発信と言っていた。そう考えると、野田マクベスも、パタキのフィガロもわからないではない。ただ、それが東京でなければできないことかというポイントはあると思う。そう考えると、蝶々夫人をみないといかんなと思った。

コメント
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