Running On Empty

Pretenderの備忘録

桜姫 コクーン歌舞伎

2005-06-26 21:33:25 | 歌舞伎
コクーン歌舞伎が始まって10年だが、今回が初めて。なぜか、縁がなかった。
今回は勘三郎なしで、福助、橋之助をメインに据えての舞台。
芝居小屋仕立てで、花道はなくとも、客席をうまく使っていて、雰囲気出てました。また、狂言回しや効果音の一部はちょっと現代的でしたが、思ったよりも江戸芝居に忠実なつくりでこれはちょっとビックリ。串田さんの演出ということで、どんなものかと思ってましたが。
福助は、これは当たり役にはなりにくいかもしれません。やはり、妖艶さという点で玉三郎。将来は意外と菊之助がはまったりするかもしれない。
橋之助の悪人、権助は違うなと。人の良さが出てしまうのですよね。僧清玄は善人が狂って堕ちていくわけで、これも鬼気迫るような芝居にはなっていない。育ちのよさが出てしまう。成駒屋の立役として、どんな役を得意にしていくのか。爽やかで存在感がない二枚目というのでは、真面目に努力している人なのでかわいそう。
扇雀は、野田歌舞伎と同じイメージですっかり重鎮として、芝居に欠かせない存在になりつつあるように思います。鴈治郎さんが、藤十郎になられた後、どのように上方の和事を支えていくのかということになるんでしょう。
勘三郎の息子二人は、一生懸命やってました。
客層は果たして、コクーンでやる狙いに沿っていたのかというのはあるかもしれません。少なくとも、野田版が歌舞伎座でかかるのとは相違ないような。
来月の十二夜の客層が楽しみです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする