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Pretenderの備忘録

平成中村座十月大歌舞伎 A、B

2008-10-12 22:42:38 | 歌舞伎
通し狂言 仮名手本忠臣蔵
浅草寺境内仮設劇場 A 1階右1列3番、B 1階10列12番

A
大 序 鶴ヶ岡社頭兜改めの場
 三段目 足利館表門進物の場
 同 松の間刃傷の場
 同 裏門の場
 四段目 扇ヶ谷塩冶判官切腹の場
 同 表門城明渡しの場

 塩冶判官 勘三郎
 高師直 橋之助
 顔世御前 孝太郎
 桃井若狭之助/早野勘平 勘太郎
 足利直義/おかる 七之助
 大星力弥 新 悟
 薬師寺次郎左衛門 亀 蔵
 石堂右馬之丞 彌十郎
 大星由良之助 仁左衛門
B
 五段目 山崎街道鉄砲渡しの場
 同 二つ玉の場
 六段目 与市兵衛内勘平腹切の場
 七段目 祗園一力茶屋の場
 十一段目 高家表門討入りの場
 同 奥庭泉水の場
 同 炭部屋本懐の場
 引揚げの場

 大星由良之助 仁左衛門
 斧定九郎/寺岡平右衛門 橋之助
 おかる 孝太郎
 千崎弥五郎/小林平八郎 勘太郎
 竹森喜多八 七之助
 大星力弥 新 悟
 判人源六 亀 蔵
 不破数右衛門 彌十郎
 早野勘平/服部逸郎 勘三郎

腰が痛くなったが、通しで観た。椅子の背もたれが低いパイプ一本なのに対して、平場にはコクーンと違い座椅子があり、こちらのほうが快適である。舞台の上にさくら席も設けて、芝居子やという風情。靴を脱いで。フジTVのスポンサーだから仕方ないが、いかにもTV局員という感じの人々が、休憩にど真ん中の前のほうの席で挨拶しまくりみたいな。

大序、勘太郎の若狭助がやや力みもあるが、敢闘している。橋之助の師直、うーん、演技が単調で悪役のひねりがない。
三段目、勘三郎の判官、梅幸を意識したというから相当に押さえたのだろうけど、品格がにじみ出るまでは行かない。勘平、おかるはDプロ、数年前の浅草歌舞伎の兄弟の取り合わせで、若さでどこまでできるかだろう。
四段目、仁左衛門の由良之助が出ると、舞台が本当に締まる。

五段目、海老蔵の定九郎を観てしまうと、橋之助の定九郎ももう一工夫欲しいと思ってしまう。
六段目、勘三郎の勘平、関西型で野暮ったく演じたら実はもっとフィットするのではないかと思いながら観ていた。孝太郎のおかる、大仰過ぎ。
七段目、仁左衛門の大星、高麗屋のように聞き取るのが大変ということもないし、播磨屋のおおらかさに、はんなりとした色気。おかる、大仰過ぎ。平右衛門まで、大仰過ぎ。仁左衛門と玉三郎のコンビは良かったと思い出してしまう。
十一段目、勘太郎、七之助兄弟の派手な立ち回りは若さあふれて非常に良かった。仁左衛門、高を討ち取った後、塩治の位牌の前で、吉良殿と言っていたが、これは最後は忠臣蔵とわかってるからの台詞?中村屋の登場で華やかに幕。

コクーンと一緒くたに一種異端と見られていた平成中村座に仁左衛門を引っ張り出し、忠臣蔵をかけてしまう勘三郎のプロデューサーとしての腕は、本当に凄いね。

コメント
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