オールキャストをオーディションで選抜したという。どん底もそうだったか。
休憩二回を挟んで4時間20分、正味3時間40分、正直、ちょっと長い。平日なので、空席も目についた。2日目ということで、舞台関係者も多かったか。
真ん中に傾斜のついた正方形の舞台で、その上に時々、簡単なセットが運ばれる非常にシンプルな舞台。流れる音楽は、ショスタコーヴィチだろうか?
強きものの正義は偽善で、弱きものが虐げられるということを、見事に描いた作品。ここに描かれる人間の本質は古今東西の普遍だろう。最後の30分弱はやや冗長ではあるが、テーマを浮かび上がらせるために、重要なのだろう。今の時代にも訴えかけるものがある。
主演の伊達は、ベテランの域に入る舞台俳優だが、不思議な色気が漂う。殺陣シーンは少なくないが、舞台の制約もあり。
新国立劇場 小劇場
【作】三好十郎
【演出】上村聡史
【キャスト】青山 勝 浅野令子 今國雅彦 内田健介 木下政治 久保貫太郎 小泉将臣 小林大介 佐藤祐基 瀬口寛之 伊達 暁 中山義紘 原 愛絵 原川浩明 陽月 華 山森大輔