ハムレットを焼き直した太宰の作品をさらに現代風に演出。中高と私も太宰に嵌り、長編はすべて読んだつもりでいたが、これは読んでなかったか途中で挫折したかのようだ。太宰の作品がどう料理されているかはわからない。ラップを入れたりかなり今風ではある。舞台はシンプルで、傾斜があり、不安定な感じ。シェイクスピアとはいろいろな重要な部分で異なる、なぜ太宰はこうしたのかを考えてしまう。
役者はそれぞれ存在感。木村は舞台映えするし、セリフ回しも良い。島崎は、存在感はあるが、オフィーリアではない。加藤は喜劇の狂言回しで、これは演出の意図か。池田はコミカルな部分も、シリアスな部分も流石。平田が弱く狡猾な雰囲気を上手く出す。松下は迫力満点。舞台でのこういう役は良いのかもしれない。
PARCO劇場
太宰治(新潮文庫刊『新ハムレット』より)
上演台本・演出 五戸真理枝
出演 木村達成 島崎遥香 加藤諒 駒井健介/池田成志 松下由樹 平田満