![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/57/193d7a77093be3da2dbc0df5924d4c82.jpg)
アメリカの繁栄から取り残された白人たち J.D.ヴァンス著 光文社2017
副大統領となったヴァンス氏が脚光を浴びるきっかけとなった著。この本が出た後、弁護士をしながら活動し、上院議員となり、副大統領となった。
彼の生い立ちについては衝撃的である。ラストベルトで起きていることがよくわかった。海兵隊というのが一つのきっかけになったというのは非常に象徴的で、80年代の映画の愛と青春の旅立ちを思わせる。彼は、イラクの戦場でのPTSDはならずに済んだが、そういう悲劇もありうる。
悲劇的な状況から、海兵隊、大学、イェールロースクールと成功していく物語は感動的である。また、イェールでのエリートの社交に感じるもの、オバマへの批判等は現在のアメリカを考えるうえで非常に役に立つ。
成功した彼は、現在、どう思っているのか。サンデルによれば、エリートほど、自分の成功は自分の力であり、環境や運に感謝することは少ないという。日本で、橋下氏や石丸氏に感じる「俺がここまで来たのだから、みんなもっと努力しろよ」という一面の真理だが、セーフティーネットなしでは取りこぼしがでるような雰囲気になるのだろうか。
まだ若いので、4年後、あるいは将来、大統領候補となる可能性も高い。彼の幼児期の体験の傷ACEがその時に議論になるのだろう。
マスクと同じく、今後に注目だ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます