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Pretenderの備忘録

池田大作研究

2021-08-24 21:44:32 | 読書
世界宗教への道を追う
佐藤優著 朝日新聞出版 2021

字は大きいが600ページ近くの大著である。
最初に筆者は自身がキリスト教プロテスタントの信者であることから、創価学会の内在価値を明らかにするキリスト教神学というアプローチと、自身が外交官時代に培ったインテリジェンス分析手法を取ると言っている。後者に関しては、要するに典拠するものが、主として人間革命等の学会側の資料であるということである。

途中、「筆者などは『マスコミで創価学会や公明党に”色目”をつかい、おもねるような勢力』の一員ということになるのであろう」と自嘲し、創価学会は世界宗教であるのだという主張をしている。そして、現状の政教分離も行き過ぎていると指摘する。

私が不思議に感じたのはインテリジェンスは一方のサイドからの情報だけを取ればいいというものかというのがあった。宗教的には、キリスト教も含め、最初はマイナーで圧迫を受けたであろうからそういうものなんだろうなと何となくわかる部分もある。

昔、信者の方に頼まれて一か月、聖教新聞が送付されたことがあった。日蓮宗や、学会を去ったものに対する言葉を選ばない攻撃性にいささか驚いた記憶がある。そういう闘争を宗教というものは内在させているということだろうか。闘争の勝ち負けはどうやって決着するのだろう、数だろうか?権力の庇護だろうか?いろいろと考えさせられる。この出版元についてもである。


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SWITCH

2021-08-20 19:36:10 | 読書
オートファジーで手に入れる究極の健康長寿
ジェームス・W・クレメント with クリスティン・ロバーグ 児島修訳
日経BP 2021

大隅先生がノーベル賞を獲ったオートファジーのメカニズムを利用して、それに相応しい食品を取るというコンセプト。歴史や地域部族や様々な例を科学的に分析している。かなり専門的ではあるが、読み進めることは可能。自分の食事、ここは結構いい線行ってる、ここが不十分、でも、これは無理みたいな感じで読んだ。
日本の医師が書いた大きな字のソフトカバーの健康本よりもずっと骨太だが、この本をもう少し読み易くするような形で日本の専門家が提供するような本があっても良いかもしれない。
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六番目の小夜子 小説

2021-08-12 17:19:26 | 読書
恩田陸 2001 新潮文庫

1992年に新潮文庫のファンタジーノベルシリーズの一冊として発表され、その後大幅に加筆の上、98年8月に単行本として刊行されたとある。
文庫はドラマ化と連動していたのだろうか。

ドラマを観た後に読んだので、ドラマのイメージと重なりながらということになる。が、同じようで違うのだ。まず、ドラマの主人公は小説には出てこない。小説の中心人物はドラマにも登場するが、相関図が微妙に異なる。そりゃそうだ、主人公がドラマに付け加えられてるんだから。役割も微妙に入りくりになり、独自のエピソードがそれぞれあり。似てるけど、それぞれが違ったものとして楽しめる、比較してもっと楽しめるかもしれない。

ここから長い年月が経ち、蜜蜂と遠雷が生まれたと思うと、不思議な感じだ。若者に対する温かい目線は変わらないかもしれない。
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さよなら朝日

2021-08-05 22:18:07 | 読書
石川智也 柏書房 2021

朝日新聞記者による朝日批判と言われているが、必ずしも全てがそうでもない。朝日に代表される「日本のリベラル」への批判ということが言えよう。原発については、結構明確に朝日の姿勢を批判しているが。

世間とか正義の問題、フェミニズム、憲法9条、原発、沖縄、天皇とスリリングにテーマについての「日本のリベラル」の欺瞞が暴かれていく。欺瞞というか、勉強不足、思考停止と言ったほうが良いのかもしれない。

インタビューは、法哲学の井上東大名誉教授が、立憲主義や憲法9条について、鋭い指摘を行う。原武史教授が、天皇制について、当然だが見失われてきた視点での指摘を。そして、オリンピックについて、博報堂出身の本田氏が、本質を指摘。このインタビューについては、自分が今まで思っていたことを見事に言ってくれたという感じだ。ただ、井上先生の指摘に、日本のリベラルは、国民に対して傲慢というようなところ、上から目線だよなあとも感じた。

刺激的で面白い本だった。ここから真っ当な議論がなされればよいと思うが。



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本多劇場プロデュース 恒例 牡丹灯籠 志の輔らくご in 下北沢 2021

2021-08-04 21:50:23 | 落語・講談
2006年にスタートして、昨年が中止だったり、なかった年もあり、13回目。私は10回くらいは行っているか。これはチケット取るの大変なのだけど。昔は二週間とかやっていたが、今年はわずか6日。

2時間半を目指していると言っていたが、2時間50分であった。昔は、18時半に開演して、終演が22時前という印象。

形式は前半がパネルを使った説明で、後半が落語で同じ。今回は、お国と馬子とのやり取りとか、明らかに短縮したとわかるところもあった。

恒例、夏の風物詩であった。

体力があるうちに、15回に分けて、30時間やってみても面白いんじゃないか。伯山の講談のように。
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