週末ごとに寒波がやってきて、しかもだんだん強くなるーそんな12月。 この冬最大の寒波が押し寄せると言われた中旬の土曜日に、ヨウコの家族と一泊旅行に出かけました。
よりによってこんな日にねえ。
「雨が降らないだけ、ましですよ。」とヨウコパパ。そりゃそうだわ、娘と旅行すると必ず1日は雨、ら、わだったもの。家を出るときも寒かったですが、南予まで来ると山にも道にもうっすらと雪がかかっていました。
着いたのは、

宇和海の入り江
小屋つきのいかだがあっていかだがうかんでいて、なんとなくベトナムのハロン湾ににているなあと思いました。

海外旅行なんて、いつ再開できるんでしょうねえ。県内の新型コロナ感染は秋から徐々に減り始め、11月末からは感染者0の日を更新中。 そのタイミングで、愛媛県内限定でみきゃん割という宿泊補助制度がはじまりました。念には念を入れ、他の旅行客とは一緒にならないように、古い蔵を改装したという一棟貸しの宿に泊まり、自家用車で移動して、高速で2時間ほどの宇和島市へささやかな旅行をすることにしたのです。
ここは宇和島市にある「土居真珠」という真珠養殖と販売をしている業者さん。ここでは真珠母貝から真珠を取り出す体験ができます。
車を降りたとたん、海風が寒い寒い。ダウンコートを着込んで案内された作業場へ。暖かい部屋でするんじゃなかったのか・・・。 作業をしてみれば、ここじゃないとだめだったことがわかりましたけど。
入ってすぐのテーブルに

右下から左回りに アメリカ産のドブガイ(正式名わからず)ドブガイを細長く切ったもの。さらにサイコロ状に切ったもの。円形に削ったもの。これが真珠の核になります。
上左 真珠をはぐくむアコヤガイ。とりだした真珠(きれいなものばかりとはかぎりません)貝の中に混じっている真珠以外のきらきらするもの。これは砂などに真珠の色が巻いたものだそうです。右上 本物の真珠
アコヤガイの成長を標本にしてありました。小さな小さな稚貝から育て中央の大きさになったら真珠の核を貝の中に埋め込みます。稚貝を大きく育てる業者さんと、真珠養殖業といっても、真珠を埋め込んで育てる業者さんに分かれているそうです。近年稚貝が大量に死亡し、今年は生存が3割だったとあとから新聞で知りました。

核は大小様々。ドブガイをすべて使うそうです。母貝の大きさによって入れる核を変えます。核はプラスチックよりも同じ仲間の貝殻が一番いいと言うことです。

核入れの作業はモニターで見せてもらいました。

わたしたちが貝の「ひも」と呼んでいる部分。そこが真珠の層を分泌するのだそうです。別の貝からひもをとりだして目立つように赤く染めます。それを1㎝くらいに切り取って、母貝を少し開き、身に埋めます。赤く色がついているひものそばに核を埋めます。
と書けば簡単なようですが、貝にとっては大手術。埋め込む前の健康管理、埋めた後の体力回復、元気になってからの大きく育てる管理、と人間と変わらない慎重な管理が求められるそうです。
そうやって1年から2年育てた貝からいよいよ真珠を取り出します。
すでにいかだから引き上げてくれていました。
この下に貝があります。


貝の殻に着いている藻のような細い紐。アコヤガイはこの紐で岩などにくっついているそうで、これを切ると死んでしまうのだそうです。養殖場では貝同士がこれでくっつきあっているのだとか。

貝を割って


核を入れた部分をぎゅっと押すと


おお~! きれいな真珠が現れました。


アクセサリーに使える良い品があるとは限りません。この日、倍の貝を割って

四個の真珠を取り出しました。 貝柱はその場で頂きました。 ホタテよりもこりこりとして海の香りがしておいしかったです。

とりだした真珠は微妙に色合いがちがいます。
水洗いした真珠を持ってお店の中へ。ここでやっと暖かい場所にいくことがでしました。
まずは真珠を磨いてアクセサリーにする台を選びました。そして加工しあがるまで真珠のいろいろな知識を教わりました。
変形した真珠。 昔は捨てていたこれら、の真珠も、今は活用しているそうです。これだけを使ってネックレスを作っていましたが、豪華でした。

真珠を作れる貝はいろいろあって、淡水パールのできる貝とか、南洋真珠ができる貝とか。

これは? アワビだそうです。内側がきれいなパール色なのは知っていましたが、外側を削るとこうなるんだそうです。

こうした貝は、真珠を作るだけではなく、螺鈿細工にも使われるそうです。
ここで役に立つ知識を一つ。
プラスチックの模造パールと本物との見分け方。
二つの玉をこすりあわせた時の感触が、つるつるは模造 ざらざらが本物。
ネックレスをぐるぐる回してみてかんぺきに丸くて傷がないのは模造、ややへこみがあったり大きさがちがったりしているのが本物。本物のネックレスは首にかけたとき中央が一番きれいに見えるように、すこしだけ大きい玉を使っているんだそうです。
加工してからのりが乾くまでかなり待ちました。応対してくれた奥さんのお嬢ちゃんがちょろちょろしていましたが、そのうちカウンターに自分で作ったビーズの指輪を広げ、奥さんが買い物券をくれて子ども3人で宝石屋さんごっこが始まりました。ヨウコと同じ学年のお嬢ちゃん、複式学級だそうで同級生は二人だそうです。ヨウコとよく似た雰囲気で、アクセサリーを作ったりするのが大好きというところも似ていました。ふたりとも内気で、すっかり打ち解けるというところまでは行きませんでしたが、楽しい一時でした。
できあがったアクセサリー

自分のとりだした真珠に好みのアクセサリーパーツを加えてペンダントにしたもの。
ヨウコ、青みがかった地味目の真珠。子どもだからピンクと代えようか?と提案しても、これがいいと譲らず、パーツも一目でこれがいい、と。迷いがなかったです。実は一番高かった。
わたし いちばんおおきくてややクリーム色
娘 ピンクがかったの
ケイタ 真っ白で形もかんぺき パパの分をハチのブローチにしてもらいました。
さあ、どれがだれのか分かるかな?