二学期始業式レジュメ
背骨をしっかり伸ばして生きよ
今年は国体の関係もあり、今日から二学期が始まります。
まだまだ暑い日々が続きます。どうか熱中症をはじめとする症状に十分注意して、学校生活を送ってください。
さて、今日は二つほどお話しましょう。
一つめは、安楽な日々を送らないということです。毎日毎日楽しいことばかり続いて、勉強もしない、体力養成のための鍛錬もしない、人物向上のための読書や文化活動もしないということであってはなりません。なぜ、そんなことを思うかというと、二〇歳を過ぎた十分大人と思われる方と会話をしているとまことに情けなくなるからであります。特にテレビの番組の質の低下は甚だしいと慨嘆しています。簡単に言えば「幼稚っぽい」と感じます。きゃぴきゃぴと明るいのはいいのですが、頭の中はぎっしりと詰まった人間であってほしいと思います。
問題意識も持っていただきたいし、考える力も養っていただきたい。世界がどう動いているか、これからどうなるのか十分な関心と興味を持っていただきたいと思います。
この夏休みは、そう言っている以上、わくしも日頃の不勉強を取り戻すべくいろいろな情報収集に取り組みました。ある先生を師匠とお慕い申し上げ、メールでご指導をいただいているのです。たまにレポートを差し上げ、やり取りを通じて、これまで何をやってきたのだろうかと反省また反省の日々を送っておりました。内容は、冒頭に申し上げた「世界の認識の仕方」ということであります。これまで人間の認識は経験に由来するとばかり思ってきましたが、とてもとてもそんな簡単な問題ではありませんでした。そう考えてきたからこそ、たくさんの経験をする方がよいと勧めてもきたわけです。しかしながら、デカルトの方法序説とイギリスのロックを読み進めて「経験」はもう少しきちんと理解されなければならないと気がつきました。
認識が経験によって由来するならば、感覚的な認識だけでわたしくたちは判断しては少しく問題が生じるということです。(他に直覚的認識、論証的認識とあります)それですと自分の経験だけで独善的世界観を振り回すことになって聞くに値しない世界観ということになります。幼稚っぽい大人が多いと言うことは、ここに理由があると気がついたわけです。レポートにしてこれから挑戦したい事の一つであります。
二つめは、非常に具体的なことであります。
それは日常生活の中で「背骨をしっかり伸ばして生きよ」ということであります。
背骨は人間の骨格の中で最も重要であります。すっきりと伸びている人間はまずしっかりしています。ぶれがない。気迫がある。長い間柔道をやってきて、それこそ経験としてそれは分かりすぎるほど分かっています。ただし、年齢と共にだんだん姿勢が悪くなってきます。これは他人事ではない。わたくしも人のことをどうのこうのと言えません。
さりながら、諸君達の年代なら、このしっかりと背骨を伸ばして、誠心誠意生きるということを忘れて欲しくはないと思うのであります。
よくプラス思考という言葉が使われます。わたくしは、究極のマイナス思考からスタートして、それがプラス思考に転向した時は、その力たるや素晴らしいものがあるとそれこそ「体験的に」認識しております。
これまで、成績がもうひとつ伸びなかった人にも申し上げたい。
前屈みになることはない。
いじいじとすることもない。
どうせオイラの能力こんなもの、と限定することもない。
背筋をピンと伸ばして、ひたすら前を見ていただきたい。
努力はあなたがたを裏切らないからです。
これから後半の高校生活をどう乗り切るか、あなた方の姿勢一つであります。
頑張りなさいませ。
(外山日出男)
背骨をしっかり伸ばして生きよ
今年は国体の関係もあり、今日から二学期が始まります。
まだまだ暑い日々が続きます。どうか熱中症をはじめとする症状に十分注意して、学校生活を送ってください。
さて、今日は二つほどお話しましょう。
一つめは、安楽な日々を送らないということです。毎日毎日楽しいことばかり続いて、勉強もしない、体力養成のための鍛錬もしない、人物向上のための読書や文化活動もしないということであってはなりません。なぜ、そんなことを思うかというと、二〇歳を過ぎた十分大人と思われる方と会話をしているとまことに情けなくなるからであります。特にテレビの番組の質の低下は甚だしいと慨嘆しています。簡単に言えば「幼稚っぽい」と感じます。きゃぴきゃぴと明るいのはいいのですが、頭の中はぎっしりと詰まった人間であってほしいと思います。
問題意識も持っていただきたいし、考える力も養っていただきたい。世界がどう動いているか、これからどうなるのか十分な関心と興味を持っていただきたいと思います。
この夏休みは、そう言っている以上、わくしも日頃の不勉強を取り戻すべくいろいろな情報収集に取り組みました。ある先生を師匠とお慕い申し上げ、メールでご指導をいただいているのです。たまにレポートを差し上げ、やり取りを通じて、これまで何をやってきたのだろうかと反省また反省の日々を送っておりました。内容は、冒頭に申し上げた「世界の認識の仕方」ということであります。これまで人間の認識は経験に由来するとばかり思ってきましたが、とてもとてもそんな簡単な問題ではありませんでした。そう考えてきたからこそ、たくさんの経験をする方がよいと勧めてもきたわけです。しかしながら、デカルトの方法序説とイギリスのロックを読み進めて「経験」はもう少しきちんと理解されなければならないと気がつきました。
認識が経験によって由来するならば、感覚的な認識だけでわたしくたちは判断しては少しく問題が生じるということです。(他に直覚的認識、論証的認識とあります)それですと自分の経験だけで独善的世界観を振り回すことになって聞くに値しない世界観ということになります。幼稚っぽい大人が多いと言うことは、ここに理由があると気がついたわけです。レポートにしてこれから挑戦したい事の一つであります。
二つめは、非常に具体的なことであります。
それは日常生活の中で「背骨をしっかり伸ばして生きよ」ということであります。
背骨は人間の骨格の中で最も重要であります。すっきりと伸びている人間はまずしっかりしています。ぶれがない。気迫がある。長い間柔道をやってきて、それこそ経験としてそれは分かりすぎるほど分かっています。ただし、年齢と共にだんだん姿勢が悪くなってきます。これは他人事ではない。わたくしも人のことをどうのこうのと言えません。
さりながら、諸君達の年代なら、このしっかりと背骨を伸ばして、誠心誠意生きるということを忘れて欲しくはないと思うのであります。
よくプラス思考という言葉が使われます。わたくしは、究極のマイナス思考からスタートして、それがプラス思考に転向した時は、その力たるや素晴らしいものがあるとそれこそ「体験的に」認識しております。
これまで、成績がもうひとつ伸びなかった人にも申し上げたい。
前屈みになることはない。
いじいじとすることもない。
どうせオイラの能力こんなもの、と限定することもない。
背筋をピンと伸ばして、ひたすら前を見ていただきたい。
努力はあなたがたを裏切らないからです。
これから後半の高校生活をどう乗り切るか、あなた方の姿勢一つであります。
頑張りなさいませ。
(外山日出男)