前生徒会長から答辞をいただく。校長の目から大きなビー玉が・・・・・・・
現在の生徒会長から送辞
保護者の方からお言葉をいただく
式の時は式辞というものを用意するのであります。
しかし、わたくしの場合は、その時々で用意した文面と違う発言をします。
生徒の実態に応じて、カットしたり、解説を付け加えたりします。難しい言葉だろうなぁ、理解できないだろうなぁと思った時には躊躇せずわかりやすく説明をします。まるで緊張していないと言ってもいいのかもしれません。変幻自在、自由闊達。なんでもござれであります。
それは校長からの最後のメッセージだと思っているからであります。
それにつけても、最後のフレーズは声が大きすぎました。「大成功を祈ります」という部分です。マイクが壊れそうでした。気持ちが、気合いが入りすぎました。ほんとうに巣立っていく若人たちに訴えたいことでありましたから。こころから卒業生諸君には、こころの底から成功していただきたいと思っています。もっとも成功の概念規定は違っています。それはそれ。カント先生の言うように、主観の違い。「純粋理性批判」に書かれているとおりであります。すべて承知の上で申し上げています。
なんどか書いていますように、柔道部にも入っていましたが、応援団にも入っていました。ですから、バンカラを絵に描いたような男の子でありました。思えば、かわいい盛りでありました。あんなことで、つまらぬ自己主張をしていたんですから。
太宰治の小説「津軽」に出てくる柔道の主将のタコ君のようだと、同級生の大学教授をやっている男と高校時代笑いあった覚えがあります。太宰の方はたしか、ゴミ箱にアタマをつっこんでいるという自虐ネタだったと記憶しております。わたくしはそんなことやったことありませんが、ね。それにつけても青春時代の思い上がりというか、世間知らずというか、そういう時期というのは本当は成長段階で貴重ではあります。
今日は、前生徒会長からの答辞にぐっときました。
中央壇上で答辞をいただくわけです。
なかなかいい答辞です。
読み方も実にすばらしい。
さらに、決定的なのは、だんだん哀調を帯びてくる。迫ってくるものがある。
彼女の表情を見ていました。
彼女の目からきれいな真珠のような大粒の涙が出てまいりました。
実に美しい涙であります。年齢的には孫のような卒業生です。琴線に触れるとはこのようなことであります.
わたくしのはじわじわではなくビー玉みたいな涙が何個も出てまいりました。感激は、素直に味わうべきであります。純真な涙には、純真なこころが宿ります。
若いということは、本当にすばらしいことであります。
還暦近くして、涙腺が緩んでいるとしても、感動的なことというのは、素直に従うべきであります。教員をやっていてよかったと思う瞬間であります。わたくしですら、そうなのですから、学級担任をなさっている先生、当該の学年主任の先生はもっともっと感動的体験をなさっていたことでありましょう。
生徒達と直接接することができるという点で、実にすばらしい職業であると思います。こういう体験をずっとさせていただきながら、生涯を全うさせていただきそうであります。ありがたいかぎりであります。これから教職を希望なされる大学生の方々に、もしこのブログを見て頂く機会があれば、本当に強く訴えたいことの一つであります。本当にこんなすばらしい職業は無い。是非とも教職を志していただきたいものであります。
卒業生退場の時に、あるクラスが、全員でくるりと保護者席を振り返り「おとうさん、おかあさん、ありがとうございました」と感謝の言葉を全員一斉に発声しました。体育館がわれんばかりの拍手でありました。いい光景であります。映画でも見ているようなシーンでありました。こんな感激の連続があっていいのでしょうか。
自分一人で育ったというような間違った価値観を持っている生徒は皆無であります。感謝することができるということが、人間として最も基礎的な資質であります。そして、無意識の演出というのが最強であります。どこにもディレクターはいなかったのですから。無意識の底の底に、感謝というフレーズがあって人間の人間たる由縁があるのです。哲学的には。
今度もわたくしの目からもっともっと大きなビー玉が、何個も何個も出てきました。もういけません。すばらしい、実にすばらしい体験でありました。
全てが終わった時に、来賓の方々をご案内しながら、保護者席で立ち止まって「おめでとうございます」と挨拶をさせていただきました。
何人かのわたくしの海上中学校時代の教え子たちが保護者席におられました。目で合図を送り、目でお返しをいただきました。こちらもまた感動的な体験でありました。教え子の子弟を卒業式で送ることができたということにも、本当になんらかのご縁を感じた次第です。
いい学校です。
実にいい学校です。
そして来賓の方々と校長室でお話をさせていただいている最中にさらに吉報!
さきほど卒業生を送り出したばかりの3学年主任から「今日わかったのですが、秋田県立大学に1名合格!」との連絡を受けました。良きことが重ね重ねで起きる。これで国公立大学3名になりました。センター試験後の受験で今日の卒業式に参加できなかった卒業生もおりましたので、彼ら彼女らへの大いなるエールになったかと思います。
また来週!