◎以下は、今日の終業式でほとんどアドリブで話をした内容です。レジメを用意して各クラスには配布したのですが。ですから、自分の記憶用にここに遺しておきます。自画自賛だと笑われますが、なかなか気合いが入りましたので。ホントに。
・今学期が今日で終わった。大震災があって、実に激動の3月を過ごしている。これは現在進行形であるのが、なんとも痛ましい。ほんとうに、被災された生徒・保護者がいるからこそ痛ましいのである。心底より、お見舞い申し上げる。
・終業式では、さきほど黙祷から始めた。わたしも諸君たちも心から祈りを捧げた。本校は銚子にある。銚子も、隣の町である旭市も被災している。しかも旭市では亡くなった方もずいぶんおられる。全国的な報道はあまりなされないが、旭市の状態も凄いのである。先日、飯岡中学区、旭1中学区の知人を訪ね、お見舞いに参上した。海岸線近くでは、軽トラックが逆さになって田んぼに突き刺さっていた。なんとも痛ましい状況だった。俄然とした。
・今日の終業式では、レジメと違って、方丈記から入る。鴨長明は、方丈記の書かれた時代に大地震に遭遇している。法勝寺の大破、宇治川の橋の落下などを書いている。そこから紹介する。入試等では方丈記も登場する。しかし、作者鴨長明は出家した。そのこと自体は、現実問題として大震災を経験しているわれわれにとって首肯できることではない。
・今回の大震災のわれわれは語り部となろう。わたしは資料も、動画も、全部PDFにしている。永久に語り部となって、次世代に伝えなければならないのだ。そういう使命をわれわれは持っている。そのための資料である。DVDでも保管できる。そして、危機管理として伝えていかなければならないのだ。そうでなくては亡くなった方々にまことに申し訳ないではないか。
・次に、大自然の猛威について語ろう。古代の人類は、大自然の猛威の前にただただ恐れおののいているだけであった。だからそれを崇め、鎮魂の試みをした。しかし、自然にとってそのような人的営みはなんの変化ももたらさない。そこから人類は飛躍した。大自然の分析を始めたわけである。大自然の法則を考え始めた。そして、科学が生み出され、芸術が起こった。科学から哲学も生み出された。大学にも、そういう学問がある。ぜひ検討してみて欲しいと思う。
・哲学の分野では、古代ギリシアのミレトスのひとびとの挑戦がある。タレスという哲学者も登場する。また、中国では諸子百家。印度ではヴェーダ学派。言葉、ロゴスで徹底的に考えようとする人類が登場してきた。
・だからこそ、学問に精通してほしい。本校は、学問、心身の鍛練、人格を磨くということを重要視している。
・しかし、成績については校長としては不満足である。まだまだできる筈である。これでは進学に振ったとは恥ずかしくて言えない。全国のスーパー進学校と言われる学校は明日から春季講習会を行う。油断禁物である。一日でも怠けていてはならない。
・また、AさせたいならBと言えという本があるが、あまりにも直球勝負で言いたい放題、やりたい放題をしている生徒もいる。わたしだって、柔道の得意技をしかける時は、事前にいろいろな動作をして一直線に攻めたりはしない。すべて計画的に作戦をたてて、攻める。だから、シンプルというのもいいが、単純すぎるのもいかがなものか。動画や、プロフ、ツイッター等で、顔を出したり、学校の名前を出したり、地域の方々からひんしゅくをかうようなことをしないでほしい。
・見ている人は見ている。また人を見た目で判断してもいけない。わたしだって、いつも諸君たちが間違った方向にいかないように可能なかぎりチェックしている。
・いろいろなことがあった。災害がいちばんこたえる。しかし、負けていてはならぬ。めげていてはならない。攻められたら、そのままにしておくことはない。災害にへこたれず、前進、前進、また前進でいこうではないか。
・頑張りましょう!
以上であります。
なんとも勇ましいことを、大音声で言わせていただきました。
生徒諸君にはうるさい校長かもしれませんが、慈愛をもって接していきたいと思っているからであります。
また、今日は生徒会長がツイッターで予告していたとおり、大震災の募金をやっていて、それを締め切りました。
額は、総額44805円!
銚子市へ19974円
旭市へ24831円
送りました。
わたくしもささやかながら募金箱に入れさせていただきました。
こういう思いやりにあふれた生徒たちがたくさんいるのです。ほんとうに感激しました。
またツイッターによる大震災対応、特に生徒への情報伝達について、日本教育新聞社が取り上げてくださって、記事になりました。下原稿を今日はいただき、校正を依頼されました。ブログで紹介してもいいとのことですから、入手次第ここで紹介をさせていただきます。
記事に書いていただいたように、あれは12日の真夜中1時頃に、教頭先生と学校で警戒をさせていただきながら、ツイッター導入を専門家である教頭先生に相談しながら、決意して始めたのでした。深夜、あちこち故障してくる設備を工務店の方々の実にありがたい献身的な修理を一晩中やっていただきながら、余震と闘っていたのです。わたくしも、教頭先生もあっちのとびら、こっちの窓と心配しながら飛び回り、余震の間に情報伝達や事後の対策を考えていたのでありました。火事場のなんとやらとはよく言ったものであります。わたくしもまた切羽詰まって、無い知恵が出たようであります。
それにつけても、こういう危機的状況では実に人間の真性がよくわかりました。日頃の言動と、行動力が丸見えになりました。普段は目立たないけれども、黙ってやるときはやる。聞くところによると、他所では、普段は理想論ばかりでなにもせず、非常時には逃げ出す人間もいたそうですから、まことに人間というのは笑ってしまうほどおもしろい存在であります。口先だけの人間であってはなりませんぞ。一瞬が勝負であります。あのときああすればよかったとか、いろいろ言い訳をするようなことであってはならないのだと自戒した次第です。
また明日!