スイスの分析心理学者カール・ダグラス・ユングをご存じでしょうか?
高校レベルでは扱わないのかもしれません。しかし、今日しみじみと卒業生の進路状況を見ていましたら、心理系に進んだ卒業生もいたような気がしました。最近の大学の学科名というのは理解不能の名前も多く、苦労します。延べで137校の私立大学に合格していました。その中で、いないかと捜していました。
ついでと言ってはなんですが、薬学部関係にもちょっと目がいきました。武蔵野大学に受かった生徒は、薬学部でしたから、こちらはちょっと感動。別の学部と思っていたのです。星薬科大学も、明治薬科大学もいました。千葉科学大学薬学部も4名いました。わたくしのような鈍才にはぜったいに進学できないような難しい進路実現をした卒業生にちょっと感動していました。
薬学部関係には非常に興味を持っています。私的にです。理由は、花粉症で苦しんでいるからです。最近、薬のお世話になりっぱなし。なんで、症状が楽になるんだろうかと素人ですから、感動してしまうからです。本当に、薬の働きは不思議です。
話題を元にもどしましょう。
それで言いたいことが、ユング。
以前から非常に注目していたのであります。なぜかというと、レポートを4月15日まで書かなければなりません。心理系の勉強は、老校長といえども教育と密接に関連します。やらなくていい分野ではありません。教育というのはこれでいいという限界が無いのです。臨床的な性格も持っています。相手は常に変わるからです。
今日は、非常に多忙でありました。振り回されました。年度末です。当たり前です。校長の一番忙しい時期でもあります。ありがたいかぎりであります。
夕食をいただき、それからユングを勉強しはじめました。哲学系の出版社であるみすず書房の「ユング自伝 1」です。これは実はNHKのテレビで知りました。なかなかの本であるとご紹介いただき、まったくそのとおりだと思います。深層心理の大家でありますから、それまで、大学の先生方の書かれたユング理論の本は何冊か読ませていただきました。ところが、読解力が無いから、なかなか理解できませんでした。
この本はユング自身が書いている「自伝」であります。ですから、ユングの体験談がたくさん出ている。これは実におもしろい。ユングの母親との関係性においても、それまで知らなかったことが、ずばり書いてありました。
また、牧師館を取り囲む自然の描写も実に真に迫る書き方であります。夜の怖さとか、おどろおどろしいユングの幼児期の体験がこれでもか、これでもかと出てきます。はまります。フロイトよりずいぶんおもしろい。それと、ユングは東洋思想にもだいぶ理解がありましたから、この面でもわたくしには興味がある。
知らないことが多すぎます。
まったく、まったくです。
一丁前になったとうぬぼれて、高見の見物をしておったのでは、それこそ天に笑われます。
謙虚。
これでいくことです。
鈍才のわたくしにはまことにふさわしいことであります。
明日は、今日より少しはあたたかいようです。
楽しみにしていましょう。
またあした!