子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2018年J1リーグ第4節 札幌 VS 長崎【2:1】

2018年03月18日 20時00分59秒 | 北海道コンサドーレ札幌
劇的勝利。スポーツ報道では普通に使われる言葉だが,そんな常套句がここまでフィットする瞬間というのは,そうざらにはないだろうなと思った。「なまら,ありがとう!最高!」と叫んだチャナティップの北海道弁は,今日詰めかけた1万3千人を超えるサポーターのほぼ全員が味わったであろう一週間前の清水戦の苦渋を吹き飛ばし,その胸に芽生えていたおぼろげな懐疑を感激の涙に変えたことは間違いない。ジェイと二人で挙げた今日の2得点は,札幌の新しい歴史の第一歩だと言っても過言ではない。

とても良い試合だった。長崎は昇格の勢いに乗って積極的にプレスに来ることも予想されたが,実に的確な状況判断で,札幌の選手にボールが入った瞬間を狙った無駄のないプレスで,ホームの札幌を攻め立てた。もう少し決定力があれば,そう,もしもジェイが向こうの選手だったら,確実に3点は入っていただろう。

対する札幌も,清水戦の反省からか,時折サイドで勝負して縦を狙う攻撃が見られたのは良かった。後半の右サイドにおける都倉,左サイドの菅は,どちらもエンドライン深くまで入り込んで決定的なクロスを供給して見せた。
誤算だったのは三好の不調だろう。ここまでチームの攻撃のスイッチを入れる役割を担い,懸命に仕掛けてきたレフティーだが,今日のプレーは褒められたものではなかった。パスもドリブルも鋭さを欠き,明らかに札幌のリズムを崩す要因になっていたのだが,それを見抜いてすっぱりと交替させたミーシャは,やはり監督としての能力は極めて高いと感じた。得点という形になって現れたのはチャナとジェイの素晴らしいコンビネーションだったが,4-4-2に変えた判断も選手の選択も,すべてがあの劇的決勝ゴールに繋がっていたのだと納得させるに足るものだった。

ただ同点の場面は,左から来た長いボールがファンマに収まった瞬間に「やられた」という嫌な予感がした。最初のファンマのシュートはキム・ミンテが防ぎ,跳ね返りを拾って決めた翁長のインサイド・キックも見事だったのだが,やはりミンテの仕事は,ファンマにクロスが入らないようにブロックすることだったはず。攻撃ではセンスを見せた進藤の拙い守りと併せて,どうやら「失点」が今季の札幌の旅のお供なのだと諦めるしかなさそうだ。

昨年はガンバに所属していた中原が交替出場した時の拍手も,気持ちの良いものだった。かつてトップやユースに在籍していた選手が,札幌ドームに戻ってきた時の札幌のサポーターの反応は,本当にいつも温かい。
今日のプレーと勝利は,確かにそんな真摯なサポーターの声援に応える素晴らしいものだった。代表マッチによるミニ・ブレイク前に挙げた勝ち点3が,何倍にもなって帰ってくる予感も少なからず感じさせた試合だった。


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