16年振りの残留を果たし,再びJ1の晴れ舞台で闘えることとなった札幌。しかしその2018年シーズン・ホーム初戦は,初めて見る芝への水まきに驚くと同時に,ビッグクラブへの飛躍を期して大物監督ミハイロ・ペトロヴィッチを招聘したことの意味を実感する重い試合となった。
守ってカウンター,という一般的に言われるJ2仕様から,自ら仕掛ける攻撃的なチームへの変貌を託されたミーシャの選択は,個々の選手の技術・走力レヴェルで見劣りのする札幌にとっては,攻撃力アップの代わりに守備面でのリスク・テイクを引き受けるざるを得ないことをも意味している。ミスの多さから四方田監督時代には起用を見送られていたキム・ミンテと進藤のレギュラー抜擢が,その象徴だろう。前節のセレッソ戦では,そのリスクが露わになると同時に,それに見合う得点力も3人のリーグ初得点という結果になって現れたのだが,今日の清水戦ではリスクの高さのみが最悪の形となって露呈してしまった。
この二人に,左サイドを任され続けていながら決定的な場面で信じられないミスを連発した菅を加えた三人は,現状では明らかにJ1では闘えないレヴェルと言わざるを得ないだろう。3試合で7失点という絶望的な数字以上に,取られた方が悪い。いくら相手のクリスラン,金子の技術と運動量が勝っていたとは言え,あれだけ連携に穴を空けてしまい,簡単にスペースを明け渡してしまっては勝負にならない。
前節のように大量点を取られても攻撃面での収穫があれば,19千人を超えたサポーターもまだ今後に望みを繋ぐことも可能だったろうが,今日は肝心のアタックにもまったく展望が見えなかった。
唯一の得点がそうだったように,前半はたびたびサイドチェンジでチャンスを作り出していたのだが,後半はそれがことごとく相手のDFの網に引っかかっていた。理由は簡単。札幌が途中から選手の追い越しが必要なサイドを縦に突く攻撃を捨ててしまい,2列目からの供給を逆サイド・オンリーにしてしまったからだ。その結果,清水にとっては,自陣でボールを廻させておいて,最後は精度を欠く長いクロスボールを待ち構えているだけで簡単にボールを奪える,という実に楽なゲームに,札幌側が自らしてしまった,という印象だ。
チャナティップと駒井,三好と菅の連携はまだまだ発展途上のようであり,攻撃はチャナと三好の単独ドリブル突破のみ,という状態では,走って奪って追い越して,というシンプルだが見ていて楽しいサッカーを展開していた清水に追い付くことは,どだい不可能な話だった。
とは言え,ジェイがようやく点を取ったことは収穫。結果には結びつかなかったが,上記二人のドリブルにも躍動感があった。ポゼッションを高めて攻め続けるサッカーにジャンプアップするには,相当の時間がかかるはず,とサポーターも分かっている。後ろのメンバーを入れ替えることで何とか大量失点だけは避け,サイドと新規加入の二人のコンビネーションを少しずつ高めながら,水の浮いたピッチでスピードを上げたパスを難なく交換できるようなチームへの変貌を期待したい。残りは31試合だ。
守ってカウンター,という一般的に言われるJ2仕様から,自ら仕掛ける攻撃的なチームへの変貌を託されたミーシャの選択は,個々の選手の技術・走力レヴェルで見劣りのする札幌にとっては,攻撃力アップの代わりに守備面でのリスク・テイクを引き受けるざるを得ないことをも意味している。ミスの多さから四方田監督時代には起用を見送られていたキム・ミンテと進藤のレギュラー抜擢が,その象徴だろう。前節のセレッソ戦では,そのリスクが露わになると同時に,それに見合う得点力も3人のリーグ初得点という結果になって現れたのだが,今日の清水戦ではリスクの高さのみが最悪の形となって露呈してしまった。
この二人に,左サイドを任され続けていながら決定的な場面で信じられないミスを連発した菅を加えた三人は,現状では明らかにJ1では闘えないレヴェルと言わざるを得ないだろう。3試合で7失点という絶望的な数字以上に,取られた方が悪い。いくら相手のクリスラン,金子の技術と運動量が勝っていたとは言え,あれだけ連携に穴を空けてしまい,簡単にスペースを明け渡してしまっては勝負にならない。
前節のように大量点を取られても攻撃面での収穫があれば,19千人を超えたサポーターもまだ今後に望みを繋ぐことも可能だったろうが,今日は肝心のアタックにもまったく展望が見えなかった。
唯一の得点がそうだったように,前半はたびたびサイドチェンジでチャンスを作り出していたのだが,後半はそれがことごとく相手のDFの網に引っかかっていた。理由は簡単。札幌が途中から選手の追い越しが必要なサイドを縦に突く攻撃を捨ててしまい,2列目からの供給を逆サイド・オンリーにしてしまったからだ。その結果,清水にとっては,自陣でボールを廻させておいて,最後は精度を欠く長いクロスボールを待ち構えているだけで簡単にボールを奪える,という実に楽なゲームに,札幌側が自らしてしまった,という印象だ。
チャナティップと駒井,三好と菅の連携はまだまだ発展途上のようであり,攻撃はチャナと三好の単独ドリブル突破のみ,という状態では,走って奪って追い越して,というシンプルだが見ていて楽しいサッカーを展開していた清水に追い付くことは,どだい不可能な話だった。
とは言え,ジェイがようやく点を取ったことは収穫。結果には結びつかなかったが,上記二人のドリブルにも躍動感があった。ポゼッションを高めて攻め続けるサッカーにジャンプアップするには,相当の時間がかかるはず,とサポーターも分かっている。後ろのメンバーを入れ替えることで何とか大量失点だけは避け,サイドと新規加入の二人のコンビネーションを少しずつ高めながら,水の浮いたピッチでスピードを上げたパスを難なく交換できるようなチームへの変貌を期待したい。残りは31試合だ。