◇ 歌の好きな私のこと、以前お話したかもしれませんが、私の中で特に昭和の名曲と言えば「いとしのエリー」(詞:桑田佳祐)、
平成のそれは「LOVE LOVE LOVE」(詞:吉田美和)、これは今でも変わりません。
それがいわゆる文学的な詩の世界で言うと、そんなに知らない中で変わらずにトップを占めているのが、
三好達治の「甃のうへ」(いしのうえ)という詩です。
この文語調の詩は下手な解説など無用ですが、春の真っ青な空の下、一面淡い桜色に彩られたような色調が爽快で、
詩の前半と後半で動から静へと移りゆく対比が絶妙だと思います。
今日は暦の上で二十四節気の清明(せいめい)、きよしくんとあきらくんという兄弟の名前にも読めますけど(!?)、
清々しく明るいこの時季そのもの、今まさに桜の花の季節も盛りに入りました。
□ バス停をずいぶん手前で降りて、家までぶらり30分
桜の下をずっと歩いて帰ることになりました。
□ 紅葉の若葉も混じります。
□ 菜の花も満開、眩しいくらいです。
□ 目と鼻の先の桜の花、うるわしい花の春。
□ 山桜、その向こうは真っ青な空。
□ この時季のやわらかな新緑もまた麗し。
□ 昨日の桜、今日の桜、昨日はほんのり夕焼け桜でした。
□ 下のバス停を降りて、いつもこの桜を見上げることになります。
□ 最も気に入っている桜、まだ5分咲き程度です。
□ 近所の高尾山(たかおやま)自然公園、1500本くらいの桜の木々が奥へと続きます。
□ この辺りはバスの車窓から見える景色でもあります。
□ 自宅まで歩いてあと10分辺りの桜です。
□ 復刻本、オリジナルの初版は昭和5年(1930)だそうです。
□ ながれ、ながれ、あゆみ、ながれ、すぎゆく … 動
しづか、甃のうへ … 静
詩の全体が満開の桜色に感じられます。
(una poesia di oggi)
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍みどりにうるほひ
廂々に
風鐸のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへ
がんばろう 日本