goo blog サービス終了のお知らせ 

今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

那須岳の放射線量

2011年06月20日 | 東日本大震災関連
那須の温泉に一泊してきた。
前回の那須(日帰り)は、標高100mごとの計測に徹したので、
前回やり残した、温泉旅行と那須岳(茶臼岳)登頂(計測のため)を果たしてきた。

泊まった宿は、「休暇村那須」で標高1230m。
天気が心配だったが、翌朝は晴で、眼下には雲海が那須野を覆っている。
梅雨の合間の絶好の登山日和だった(山の上は強い日射で、γ放射線より紫外線の”被曝”の方が気になった)。

さて、今回の計測のテーマは、「放射性物質は那須岳を越えたか」。
群馬の山の上もそれなりの値を示したことから、放射性物質は空高くまい上がり
関東の関門として立ちはだかっている活火山・那須岳(1915m)を越えたのかもしれない。

そこで、今回の計測は、放射線の人体への影響度ではなく、
物理的な量を比較したいので、計器が直接測っている CPMの単位にする。
ただし、 CPMは最低でも10分間測って10で割った平均値を出すべきなのだが、
計測地点ごとに10分間計器を1mの高さにかかげ続けるのがつらいので、最小計測単位の1分間の結果である。
またわが計器の CPM値に、他機種のμSv/hへの変換係数0.00833を当てはめると高すぎる値になるので、
μSv/h値はその単位で再計測した(わが計器もμSv/hへの変換はセシウム137を前提としているのだが)。
計測時の地面高は1mである。

●休暇村バス停1230m:97
●休暇村奥の「小丸山展望園地(写真)1250m:127(0.25μSv/h)…人があまり行かない=値は高め
●ロープウエイ下駅の外1390m:123(0.5μSv/h)
●ロープウエイ上駅の外1685m:149(0.35μSv/h)…樹林限界より上
●茶臼岳山頂1915m:104(0.25μSv/h)…岩屑地(火口からの噴出物には放射線はほとんど検出されず)
放射性物質が地面に堆積しているか確認するため、山頂で1cm高で測ると151(0.5μSv/h)に上がった=多少堆積している
ちなみに小丸山園地の1cm高は496(2μSv/h)もあった=ずいぶん堆積している
※地上1cmでの測定はγ線のほかにβ線も測定されるため、堆積が多いほど大幅に値が増えるが、β線は履物で防御される。

ついでにさらに下の地点の1m高の値は
●鹿の湯の外(前回と同じ場所834m):166(0.45μSv/h)…入浴した。やはり那須に来たらここに入らないと。休暇村は温泉でも単純泉の塩素循環だし。
●黒磯駅前(郵便ポストの後ろ):387(1.2μSv/h)…相変らず高い。

以上から、山頂にもある程度放射性物質が達していることがわかった。
ロープウエイ上駅が高かったのは、せり出した台状のためかもしれない。
ただ、標高が低い方が値が高いという前回の傾向は、山頂から麓までを通して全体的に維持されているので、
放射性物質は山から麓に降りたのではなく(そうであるなら山の上の値はもっと高いはず)、
日中の谷風で下から山へ吹き上げられた可能性が高い。
また、一定の高度に高濃度帯があった形跡は見出せなかった。

以上から、那須に関する限り、山は放射性物質の周囲への飛散元ではないといえる。