今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

大河ドラマの主人公はこの人を

2015年01月14日 | 作品・作家評

NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」が前評判どおり大苦戦している。

私も暇に任せて初回をチラ見したが(決して入り込めなかった)、それで私にとって今年の大河は終わった。

「篤姫」のタナボタ的成功体験が災いして、それが「八重」を経てさらにドツボにハマっているようだ。

これでいいかげん目が醒めるだろう、いや醒ませよ!

ネットでも我が周囲でも大河でやってほしい人物が時たま話題になるが、えてして、自分の歴史的オタク的知識をひけらかす場になり下がっているのが現状。
企画として採用したいものはない。 

 私個人は、太田道灌が活躍した前・戦国期の関東の争乱を描いてほしいのだが、これはちょっと地味なことは自覚している(道潅は無敗の名将で、文化人で、江戸の礎を築いたことは高く評価したいが)。

それなら小田原北条氏の方が大河として受けるだろう(謙信や信玄も登場する)。

 

ならば、推したいのは「武田勝頼」。

大河の主人公になっていない戦国武将で、彼に匹敵する人物はいない(あとは小物ばかり)。

武田家の滅亡は信玄以上にドラマチックなのに、これをきちんと描いたドラマは見たことない。

父信玄の存命中は諏訪氏を名乗らされ、武田氏の嫡流に列せられなかった(このへんの心理的葛藤をまずは描ける)。

だが父の死後は父以上に版図を拡げ、武田氏の最盛期を迎える(父も攻略できなかった高天神城を奪取。そして美濃へ侵攻し、なんと「女城主」が実現!)。

だが、「長篠の戦い」で大きくつまづき(長篠城攻めを含めたこの戦いも入念に描ける)、

そして信長の侵攻に伴なう周囲の裏切りの連続に遭う。

最後は大菩薩の山中・天目山にて妻子とともに自害(ここまで悲劇的要素がたっぷり)。

皮肉なことに、武田氏を滅ぼした当の信長もこの半年後に「本能寺の変」で最期を遂げる(これも後日譚として入れたい)。

信長・家康を憎き強敵として描く視点にも新鮮さがある。

そして何より、新田次郎の分厚い原作がある。