今日こんなことが

山根一郎の極私的近況・雑感です。職場と実家以外はたいていソロ活です。

「霊が視える」現象を研究

2024年08月25日 | 心理学

私は昨年から「霊が視える」という現象を研究対象にしている。
その視覚現象を「霊視認」と命名した。
既存の用語に「霊視」という表現があるが、そこで使われている「霊視」は必ずしも視覚像を前提とせず、
直観的に霊を感じることや、霊能力を使って時間や空間を超えた状態を探る意味にも使わているので、
これとあえて区別するために「霊視認」という言葉を作った。

上の意味での「霊視」ができるのは霊能者(祓える人)であるが、霊視認ができる人(視える人)は必ずしも霊能者ではない。
また霊能者は霊の感知はできるが、明確な視覚像を得るわけではない。
例えば、霊能者・寺尾玲子氏は霊視ができるが霊視認はあまり得意でない。
霊視認者として活躍しているのは、霊視認コミック『視えるんです。』の作者伊藤三巳華や吉本芸人シークエンスはやとも氏などである。
※:霊視覚者自ら視た霊を描画している点が貴重。ただし創作物・エンタメ商品でもあるのでそのまま研究的資料にはならない。


私が研究対象にしているのは、霊視認(者)である。
霊視認者は、自分とは無縁の霊を生活空間で第三者的に視認(目撃)する。
心霊スポットや墓地ではなく、普通の街中で人々に混じった霊を目撃するのだ。

私は、その霊がどのように見えているのかを事例的に収集している。
面白いことに、(霊)視認者に目撃された霊は、他の人たちには気づかれなかった自分が見られていることに気づいて慌てるという。

ただし霊視認者は、霊との間に能動的関わりができない。
それゆえに、普通の知性・科学的常識を持った彼らは自分の経験が”幻視”である疑いを捨てきれない。

実際、シャルル・ボネ症候群という視野欠損疾患では、欠損部分に幻視を持続的に見てしまう。
そしてその対象と能動的関わりができない。
すなわち、この症候群の幻視と霊視認とは視覚経験としてかなり共通している。

ただし私が調査した霊視認者は、視野欠損は見られず、また他の幻覚症状を示しうる統合失調症・薬物依存・てんかんなどは持っていない。
すなわち視覚系・中枢系に関して全くの健常者である(近視など屈折異常は持っている)
※:視覚系・中枢系に特定の疾患を持たない健常者の中に幻視経験をしやすいタイプがあるのかもしれない(医学的には未確認)。
そもそも誰の脳でも入力刺激がないと幻覚を作って自己刺激をする。毎晩見る夢がその例。


霊視認者の出現率は、勤務先の学生(全員♀)を使った調査では、見た「経験あり」と回答した段階では9%もいたが、
実際に面接して視認内容を詳細に確認できたのは1%であった。
※:調査結果については現在論文作成中。
ただ調査対象の霊視認経験者のほとんどは視覚回数が1〜数回程度であり、しかも最近は経験していないという。
すなわち、ほとんどは子供の時に1,2度経験した程度であり、日常的に「視える」人はさらに少ない。

ついでに、霊視認者は、霊以外にオーラ視ができる比率が高く、霊視認とオーラ視の経験が相関している。
霊視認のトレーニング法はないが、オーラ視のトレーニング法は書物になっている(オーラ視は経験しやすい)。

ちなみに霊視覚視認者は、自分の経験を不快と思っており、それを楽しんではいない(あなたは幽霊を見たい?)。

霊と積極的に関わる生き方を選ぶには相当の覚悟がいるようだし(寺尾玲子氏はそれを勧めない)、
過去の霊視認経験も人生の1エピソードとしてそのままにしておいていいと思う。

シャルル・ボネ症候群などの幻視については、O.サックス『幻覚の脳科学』(早川書房、現座は文庫版)が参考となる。



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