第一山目

2016-04-23 01:02:14 | 山行
さあ、いよいよ登山適期がやって来た。
関東の低山への攻勢開始である。
まず一山目はよく名前を聞いていた高尾山にした。
山頂に茶店があるって聞くし、そんなに難しくはなさそうなので、シーズン始めの足馴らしとしてよろしかろう。
それでどんな山か調べてみて驚いた。
なんと世界で一番登られている山だって。
年間260万人も訪れているってことで、大人気の富士山でも13万人くらいらしいから、すごい数字なんだなと認識。
しかもミシュランガイドの三つ星観光地でもある。
おみそれいたしました。



出かけたのは平日、休暇を一日とれたのでその日を当てた。
そんな人気の山だと、土日はあまりに人が多くて嫌になるだろうから、平日に登れてラッキー。
平日なら駐車場も混んではいるまいと車で出かけた。
通勤通学する人達を横目に街中をちまちまと走り、高尾山ICの直前から圏央道に流入。
長いトンネルを抜けたら視界いっぱいに新緑萌える山谷が広がった。
うーわ、なんだこれは。
なんでこんな眺めが目の前にあるのか、すぐには頭が理解してくれなかった。
さっきまでの街の風景からの劇的すぎる場面転換。
関東平野の端っこってほんとに街と山の境界なんだな。
山肌一面の真新しい緑は、芽をだし始めた街路樹の緑とその密度が違った。
一気にテンションアップした。



高尾山ICを出て谷筋の国道を行くと登山口の町があった。
思ったとおり駐車場には空きがあった。
荷繕いし出発。
開店の準備をする土産物屋の通りを進むと、ケーブルカーとリフトの山麓の駅があった。
遠足の小学生が列をなして駅舎へと入って行く。
高尾山を登るコースは複数あってどれを歩こうか迷ったが、やはり初めて登ることだし、1号路と名のついた表参道コースを行くことにした。
コース入口左に東海自然歩道起点の石碑が立っていた。
ここから大阪の箕面まで道が繋がっていると考えると、なにやら感慨深し。



1号路登山道は舗装されていて幅広で、登山道というより林道だ。
それでも植物の生い茂る法面には花が多く、スミレやムラサキケマンの花が目を引いた。
平日なのに登山者が多い。
さすが世界一。
足を止めて写真を撮っていると次々に背後を通過して行く。
平日だからだろうけど学生のグループの多いのが意外だった。
もっと年配の方々が多いと想像していたが。
1号路は表参道と名の付く通り、山中にあるお寺への参道だった。
上り坂の傾斜が緩くなると、リフトやケーブルカーの山上駅があり、茶店で賑わう道を進めば山門が現れる。
辺りはほぼ平らで、お堂や灯篭、杉の古木、歌碑なんかが次々と現れ、どこかの有名観光地の寺院みたいだ。



お寺は真言宗の一派の関東三大本山のひとつだそうで、立派な門と大きなお堂が鎮座する様は、なるほどと思わせる規模である。
山上にあるが、ケーブルカーを使えば上り下りする必要は無いから、登山というより寺社観光に来る人の割合も多いのだろう。
そこから少し行けば山頂で、山の眺めも楽しめるから、人気が出て当然か。
その山頂は平たく広い広場だった。
食事できる茶店と高尾山のビジターセンターがある。
ちょうどお昼時でグループで固まってご飯を食べているが、人数が多くてグループの境目が分からない状態。
すごいなあ。
山の上とは思えない眺めだった。



広場を行き過ぎると南西方向が開け、雪をかぶった富士山が望めた。
おー、これはいい眺めだ。
みんな自撮り他撮り、構図を工夫して写真撮影していた。
外国人の方も多く訪れていて、とても喜んでいた。
登山に当てた日がちょうどお天気よくて、富士山を見てもらえてよかった。
自分も数枚撮影し、一休みできる所を探した。
ビジターセンターの裏手にも小さな広場があり、そこは比較的空いていてベンチがあいていた。
登ってくる途中ですでにおにぎりを食べてしまっていたので 、代わりにチョコレートを食べてホッとした。
うーん、ホットコーヒーが飲みたいな。



地図を見るとこの先も登山道は続き、縦走が可能。
途中に桜が咲いてる所があるらしいので、そこまで行って引き返して来ることにした。
登山道は未舗装の土の道に変わり、ようやく山らしくなった。
こちら側にも茶店があり、道脇にはベンチもあり眺めもいい。
山頂からほんの少し足を伸ばせば、だいぶ静かにお昼が食べられる。
次に来ることがあるのか分からないが、覚えておこう。



尾根を行く道は広く、階段状に整備されている。
山腹を巻く道もあり、引き返して来る時に歩いたが、木々の間を歩く一番山らしい道だった。
人は少なくなるかと思ったがさにあらず、前から次々歩いてくる。
さすがにジーンズで歩いてる人はほぼいなくなり、みんなハイカーらしい格好をしていた。
山桜がそこここに咲いていて、も少し先へも少し先へと私を誘う。
一丁平という高台の展望台まで行って引き返した。



下山は稲荷山コースを下った。
ナイキのシューズに「タカオ」というモデルがあるらしい。
実物は見たことないが、高尾山みたいな整った登山道を短時間登るのに必要な機能に絞った軽量級登山靴らしい。
そんな靴で歩けるのならと、いつもの登山靴でなく、街履き用に使っている(それでもビブラムソールのゴアテックスブーティ)靴を今回は使ってみた。
確かに1号路を往復するならそれで充分だったが、一丁平往復で行動時間を長くし、稲荷山コースの木の根っこが網目模様に浮き出た道を歩いていたら、疲れが左足ふくらはぎにきたようだ。
少し痛めてしまった。
足馴らしのつもりが、ガッツリ歩いちゃったからなあ。
デコボコ道は底の分厚い登山靴がやはり楽である。