心象現像

2017-04-13 23:41:31 | Weblog
通勤時に目を楽しませてくれる道端の草花たち。
ところがお休みの日、いざ写真に撮ってみるとこれがうまくない。
歩いているとき目が捉える光景は一瞬だ。
好ましい造形のみが脳に残り「なんてかわいい春の花」と認識するよう。
写真に撮ると花以外の夾雑物が写り込み、途端になんでもない光景に堕する。
特に街中は無粋な人工物が多いから。



歩いている時も、当然同じ光景が網膜に写っているはずだけど、その全てを記憶する処理能力は脳になく、気になる部分のみピックアップして記憶されるわけだ。
思い出が甘美なのもそんな脳の仕組みに寄るところなのだろう。
写真をアップで撮ってしまうのは、そうした夾雑物を画面から排したいからかもしれない。



この経験は旅先でもある。
車を運転していて車窓から気になる景色を見て引き返し、見たのと同じ場所から写真を撮るのだが、やっぱり違ったものになる。
脳内で変換された心象風景を第三者に見せるのは難しい。
絵を描くが如く背景をぼかして省略し、いらないものを描かないといった手を加え、写真に出来ればいいのだが。
背景を選び、構図を工夫して対応するしかないなと勉強中。



さて、春を謳歌している道端の草花たちも、雑草として引き抜かれる受難の季節がそろそろやってくる。
少しでも命長らえ、多く子孫を残されんことを。



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