古の現実逃避法

2016-11-15 22:56:58 | Weblog
引っ越して1年。
実は部屋の隅に片付け切れていないダンボール箱がまだある。
売る予定の本類や破砕が必要な書類系のゴミで、ふたを開けはしたのだが日常生活に無くても困らないので片付けを後回しにしていたら、まだそのまま残ってる。

日曜日、時間があったので中を覗いてみたら、懐かしい背表紙がいくつも目に入った。
そういえば昔はよくお気に入りの本を繰り返し読んだものだ。
前の部屋がゴミ部屋と化してからはその時の気分に合った本を探すのに手間がかかり、読み返す習慣がなくなった。
引っ越しを機に部屋は綺麗になったものの、その習慣は復活してないな。

歳を取ると新しい読み物を買っても初めて会うタイプの物語(面白ければお気に入り度が高くなる)は少なくなり、繰り返し読みたいと思える物語に出会える確率はどんどん低くなる。
若い頃は自分の知らない世界にいざなってくれる物語が沢山あって、随分と影響を受けたものだ。
最近うまくいかない日常生活から異世界へと連れ出してもらおうと、ダンボール箱を漁ってみた。

読む候補は幾つかあったが、ちょうど流していたBGMが「のだめカンタービレ」のクラシック音楽だったので、のだめのコミック本を一揃い取り出した。
私の持つ記念すべき第1巻は第29冊発行のものだ。
さすがの売れ行きですな。
社会人になってから出会った作品だが、お気に入りである。
場所も時間も設定も現実世界から飛び離れた物語ではないが、独自の世界観を持っているので、しばらく逃避先に使わせてもらおう。

漫画の場合、読書に使えるのは食事時間だけ。
例のごとくすっかり内容を忘れていて、あーこんなだったかー、とほとんど初めて読む物語のごとくここ数日、飲み食べながら読み進めている。
やはり気分が変わる。
お酒の酔いも料理の味も、いつもと違う気がして、滞った生活に変化を与えてくれそうだ。


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