山小屋の屋根はなぜ紅い

2017-08-01 23:38:00 |  常念山脈縦走
山行き三日目の続き。
大天井岳を越えるとさらに人と合わなくなった。
単独行のお兄ちゃん一人と2人組の3人だけ。
なので歩いている間中一人の世界だった。
でも「アルプス縦走路を独り占め!」って気分ではなく、暗い雲が穂高の上にかかり、ペースアップが響いて足は疲れ、気分は先を急ぐしで、背負うザックみたいに重い時間が続く。
眺めはずっと素晴らしいのに、楽しい気分で歩き続けるのは難しい。



その2人組とすれ違って少し行くと、長い下り坂となり、鞍部に山小屋の赤い屋根が見えた。
ようやく常念小屋に到着。
と思いきや、見えてからが遠かった。
赤い屋根は徐々に近づいてくるのだが、その速度は微々たるもの。
この小屋には生ビールはあるだろうか。
あったら飲んじまうなあ。
などと考えつつようやく入口前の広場に着いた時は疲れ切って、しばしベンチで休んでしまった。



常念小屋も大きな山小屋だ。
寝床は二段ベッド形状ではなく、小部屋に分かれ床に布団を敷くタイプだった。
宿泊者は少ないようで、12人部屋(つまり6畳の部屋)を一室割り当てられた。
ありがたい。
タオルを水で湿らせてきて、他の人の目を気にせず身体を拭いた。
顔と首がヒリヒリと痛い。
高山の紫外線は下界の数倍と聞く。
日差しがあったのは午前中の短い時間だったが、しっかり日焼けしたようだ。



汗をかいた服を着替え、濡れたタオルと一緒に乾燥室へ干しに行った。
売店を覗いたが、缶ビールはあるが生ビールは無さそう。
ならやめとこう。
部屋に戻り横になったら疲れから眠ってしまった。
この小屋は食事の準備ができると館内放送が流れる。
放送に起こされて食堂へ。



宿泊者は前日より少なく10名くらい。
それぞれグループ毎に部屋が割り当てられたのだろう。
食後少し元気になったので、疲れた足を引きずって小屋前の広場に出てみた。
夕焼けは望めず。
黒っぽい塔が気になっていたので見に行ってみた。
アンテナが下界を指差していた。
衛星放送以外の何かを受信してるようだ。





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