朝から温泉

2014-05-11 06:51:20 | その他旅行き
Iwami & Izumo Chapter_2

雨は止んでいた。
まだ暗く、寝静まった道の駅を後にする。
走り出すと運転に意識が向いたためか、あんなに悩まされた痒みも気にならなくなり徐々に治まっていった。
ホッとする。
思うに眠るためには安静にしていなければならず、湧き上がる痒みが最も神経を刺激するものとなり、意識から逸らすことができなかったのだろう。

その日の一つ目の目的地は温泉津温泉(ゆのつおんせん)である。
世界遺産「石見銀山遺跡とその文化的景観」の一部を成し、温泉津重要伝統的建造物群保存地区にある。
温泉自体は世界遺産の選考要素では無いようだが、共同浴場の薬師湯の旧館は大正時代のもののようで保存対象の建物なんだろう。
薬師湯を訪れる事にした決定的理由は早朝から営業しているため。
なんと朝の5時から夜の9時までやっているらしい。
石見銀山の各施設が開く前の時間を使ってお風呂に入れる。
歴史ある建物も興味あり。

国道9号から温泉津の町に入り、温泉街への標識に従い狭い道を行くと、薬師湯の駐車場があった。
4台ほどの駐車スペースのあるそこは薬師湯のだいぶ手前のようだったが、広く止めやすいので使わせてもらった。
駐車場がある共同浴場というのも珍しい。
時刻は4時15分。
まだまだ暗い雨のそぼ降る温泉街を薬師湯まで歩いてみた。



沿道は歳を経た建物の旅館やお寺が並んでいる。
旅館の玄関はどれもカーテンが引かれ扉は閉じられ人影はない。
100m位だろうか、歩いた先に薬師湯はあった。
現在の建屋はコンクリート造りの様だが昭和の匂いがする個性的なデザイン。
左隣の建物が旧館だろう、木製で立派な造りだった。
建物の周りにも駐車スペースがあったが、狭く自由度が低い。
手前の駐車場が空いているならそちらに駐車するのが正解だ。
町並み散策が自動的に付いてくる。



一度車に戻り、買っておいた朝食を食べた。
5時、お風呂セットを持って再度薬師湯へ向かう。
今度はひと気があり、一番風呂目当ての宿泊まりの浴衣姿のお客さんが数組入店するところだった。
入ってみると、女性主人が入浴方法を詳しく説明してくれた。
入浴前後にはお水を飲んで水分補給してくださいね。
温泉成分が強いので湯には長く浸からず、数分入っては上がって時間を置き、再度数分入るを繰り返し、湯あたりしないよう注意してくださいね。
温泉成分を洗い流さないよう上がり湯するなら給湯口の温泉水で体を流してくださいね。
階上からは温泉津の町並みが眺められるので、入浴後に行ってみてくださいね。
等々。



脱衣所には小さな金属プレートを差し込むタイプの鍵付きロッカーがある。
浴室は真ん中に湯船があり、茶色い温泉成分の堆積物が鍾乳石のように湯船と床に付着していて古湯の雰囲気満点だった。
湯は少し黄色く白く濁っていて、確かに高濃度な感じ。
泉質はナトリウム・カルシウム‐塩化物泉、pH6.0。
源泉をかけ流し、お湯は毎日入れ替えるそうだ。
シャワーは4箇所。
シャンプー、石鹸はついていない。



入浴後、屋上から温泉津の街を眺めた。
石州瓦の茶色い屋根が見慣れない、独特の景色が見られた。
少し強まる雨に負けず、街を撮影しつつ駐車場に戻った。
さあ、次は石見銀山の本丸を攻める。


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