世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

車海老(クルマエビ)

2017年10月08日 20時28分56秒 | Weblog


車海老(クルマエビ)


      車海老 鬼殻焼き


【語源】
車海老の語源は、煮ると色は紅色に変わり、形が車輪のように曲がる
からと言う説と、丸まった時に縞模様が丁度、車輪のように見える
からと言う説があります。

クルマエビは、大きさによって呼び方がかわります。
10㌢以下(20㌘以下)のものを細巻(サイマキ)と呼び、15㌢ほどの
もの、20~40㌘位のものを中巻(チュウマキ)又は巻海老(マキエ
ビ)。それ以上のものをクルマエビ、さらに大きいものを大車(お
おぐるま)と呼びます。







【旬】
産卵期が春~秋と長く、養殖も盛んな為、旬の限定が難しい魚です。
地域・人によっては、春から夏が旬と言う人もいれば、秋から冬が
旬と言う人もいるようです。

流通量は夏と冬が多く・・なんとも限定が難しいです。
しかし、食べて美味しいのは晩秋から冬。
ここでは、この時期を旬としましょう。





【うんちく】
クルマエビは夜行性です。
昼間は海底の砂に浅く潜ってじっとしていますが、夜になるとエサ
を求めて動き出します。
雑食性で藻類やゴカイ、貝などの小動物を捕食します。
産卵は沖合で行われますが、クルマエビは、アマエビなどのように
卵を腹に抱えるのではなく、海中に産み放ちます。
その数は70~80万。



受精卵は約半日で孵化し、浮遊生活を送ります。この間に十数回も
脱皮を繰り返します。稚エビは潮に乗って河口、汽水域へ移動して
底生生活に入りそこで成長します。
成長するにつれて生活圏を湾岸から沖合、外海へと移していきます。

寿命は2~3年。牡の方が成長速度が遅く、20cmを超えるクルマエビ
のほとんどは雌です。



【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。

小型底曳網、刺網、手繰り網、打瀬網など、伊勢湾・瀬戸内海・
有明海などが主な産地です。

養殖も盛んで、沖縄、熊本などで行われています。
天然物と養殖物の比率は半々位・・・。



現在 瀬戸内海などで年間5億尾ほど放流されています。
車海老は夜行性であるため、月夜の晩は活動しません。
この為、身が痩せるので、月夜が続いた後で獲れたエビは旨くない~
と言われています。


【産地ならではの漁師料理】
車海老と言えば・・寿司、天ぷらを思い返すのではないでしょうか?

そのまま食べる踊り食いも最高に美味しいですよね~!
漁師さんの特権として、鮮度の良い物を踊り食いで食べる事をすすめ
られると思いきや・・・一転。



「車海老を生で食べるのは邪道~本当に美味いのは、塩茹でして
食べる。~この海老は熱を加えたほうが甘みも香りも増すんじゃ~」
と言われました。
そう言えば、寿司は茹でたの使いますよね。


    活車海老のにぎり寿司



【栄養と効果・健康】
イカ・タコ類と同様、コレステロールが多く、たくさん食べる事は
良くないとされていた食材ですが、これは間違いです。
コレステロール以上にタウリンが豊富な為、むしろ食べたほうが、
血中のコレステロールを下げるのです。


   車海老頭の塩焼き


車海老は、低カロリー高タンパクの健康食品・ダイエット食品です。
必須アミノ酸のタウリンを多く含みます。これは血圧を正常にして、
心肺機能の強化に貧血予防、悪玉コレステロールの減少や肝臓強化。
胆石や動脈硬化予防、疲労回復や視力の向上など多くの効能を持つ
事で知られます。





       車海老香り蒸し(上海料理)






















        焼き車海老














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鬼頭魚(シイラ)・マヒマヒ

2017年10月08日 08時25分30秒 | Weblog


鬼頭魚(シイラ)

【語源】
シイラの由来は「秕(しいな)」です。
これは殻ばかりで実のない籾(もみ)のことです。
シイラも体は大きいが身が薄く食べるところが少ないからの総称の
様です。
また、シイラは漂流物に集まる性質を持っており、時には、動物の
死骸などにも集まります。
このことから、死人食(しびとくらい)などと言う地方名さえあり
ます。
他には若魚時代に群れで遊泳する様から、万匹(まんびき)や
十百(とうひゃく)、そして、シイラという名は縁起が悪いからと、
万作(まんさく)や金山(かなやま)という名で呼ぶ地方もあり
ます。
縁起が良い魚なのか悪い魚なのか?良くわかりませんね~


シイラの切身

【旬】
このシイラと言う魚の評価は様々~
山陰や九州では人気がある魚であるが、それ以外では全く人気なし。
ただ、釣り人には人気があるようです~時速60kを超えるスピードで
泳ぐこの魚の「ひき」は答えられないとか・・・・・

一方、欧米では高級魚扱いされています。
ハワイでは「マヒマヒ」と呼び、この魚のフライは、日本人のツアー
客にも大好評です。

産卵期は、日本近海では6~8月。
よって、旬は秋と言えます。




  雌のシイラ

【うんちく】
シイラの大きな特徴は前頭部です。
特にオスは成長するにつれて前頭部が、異様に大きな角丸四角形に
なります。
一方、メスは成長しても卵形まま・・・・。
このためオス・メスの区別は容易です。

また、鮮度の善し悪しも見分けやすい魚です。
死後の体色の変化は急速で、背は紺青色、腹は灰色が勝り、
くすんだ色になってしまいます。

【語源】の章で縁起の良い魚か?悪い魚か?わからないと記しました
が、高知県ではたいへん縁起の良い魚とされているようです。
この魚、実は夫婦仲がものすごく良いのです。
それは、オスが釣り上げられると、メスはその船の後をどこまでも
追いかけてきて、メスも容易に釣れてしまうと言われています。
高知県では夫婦和合の象徴として、シイラの塩干物が結納に使われる
事があるそうです。


      シイラの刺身
【ブランド・産地】
日本ではブランド化されていませんが、ハワイでは「マヒマヒ」
としてブランド化されていると言っても良いかも・・・?

このシイラ(マヒマヒ)を使ったステーキ、ハワイ名物料理の
「ポケ」にもよく使われます。

日本での主な産地は、高知、長崎、熊本、島根などです。


        シイラの塩辛

【産地ならではの漁師料理】
隠岐では、このシイラで塩辛を作ります。
これはまさに漁師料理。流通はしません。産地でしか味わえない代物
です。

ハワイの名物料理「ポケ」とは、生魚をぶつ切りにし、薬味と
あわせた物・・・・シイラはこの料理の食材によく使われます。

日本では非常に評価の低い魚で安値で流通します。
身質がハマチ・ブリに似ている事から、一昔前までは、ハマチとして
魚売場で売られたり、「沖鰤(オキブリ)」と称されて販売された
時代もあったようです。


       一番手前は雄のシイラ

【老人と海】
シイラは英名でDolphin Fishと言います。

この為、ヘミングウェイの有名な小説、老人と海ににおいてシイラが
登場するのでありますが、初期の日本語訳では、何とイルカと訳して
しまったそうで、どうも話がしっくりしなかったとか・・・。

これを末広恭雄博士が指摘し、後に、イルカからシイラに訂正翻訳
されて出版したという有名な逸話があります。

やはり欧米ではメジャーな魚なんですね~!


【栄養と効果・健康】
たんぱく質が豊富で脂肪分は少ない魚です。
ミネラルではカリウムを多く含み、体内の塩分排出を期待できます。

疲労回復に効果のあるビタミンB1と、脂肪をエネルギーに変える
ビタミンB2も豊富です。

二日酔いの原因となるアセトアルデヒドを分解するナイアシンも
多く含んでいるので・・・お酒のつまみには最高~

一方、回遊する青魚のわりには、DHA、EPAは少な目の様です。


        シイラの刺身



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