世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

婆婆鰈(ババガレイ)・滑多鰈(ナメタガレイ)

2020年02月19日 20時47分42秒 | Weblog



なめたがれい(ババガレイ)

【語源】
標準和名は「ババガレイ」で「婆鰈」。市場では「母母鰈」と書か
れます。
これは、体表が粘液で覆われ、汚らしい為と言われていますが、定か
ではありません。

ババガレイよりも、名が通っているのは「ナメタガレイ」。
特に東北地方ではこの名で呼ばれているようです。
これも、体表に粘液がべっとりついているため、まるでなめられた
様だから・・・・・だそうです。
もう一説は、「美味しくて美味しくて皿までなめたから」と言う説
もあります。

     ナメタガレイの煮付け

【旬】
旬は冬です。特に北海道者は冬が美味。初春も美味しいですが、
三陸物に限ります。3月ぐらいまでは美味しいです。



      ナメタガレイの煮付け

【うんちく】
水深50~500㍍の砂泥底に生息し、海老類、ヒトデ、多毛類などを
食します。三陸から北海道の太平洋側に多く生息しています。
産卵期は3~4月。主に三陸沖で行います。

この為、真冬の北海道物は身が最高に美味しく、初春の三陸物は
大きく育った卵を楽しむ事が出来ます。

三陸地方では年越しや正月料理として食べる習慣があり、今現在で
も食卓に並ぶようです。この為、この時期、三陸地方ではナメタガ
レイが急騰するとか・・・・!

その昔は、肥料として扱われてきた「ババガレイ」・・・・!
現在は高級魚として流通しています。



【ブランド・産地】
漁獲量が多いのは北海道。
特にブランド化は、されていないようですが北海道釧路のナメタガ
レイは最高級品であると言われています。
最近では活〆の状態で流通している良品もあり、刺身商材としても
扱われつつあります。




     卵がたっぷり・・ババガレイの煮付け

【産地ならではの漁師料理】
ナメタガレイと言えば、やはり煮付けでしょう。
「鰈の王様」「煮魚の王様」と呼ばれるほど・・・・・!

三陸の志津川町では、正月料理としてナメタガレイを食します。

伝統的な料理は「ひらもの」と呼ばれ、天日干ししたナメタガレイを
様々な野菜と一緒に醤油味で煮て、「歳とり魚」として食べる風習が
あるとか・・・!

しかし、最近では単なる煮つけで終わらせる家庭が増えているよう
です。ちょっと寂しいですね~!



【栄養と効果・健康】
高たんぱく・低脂肪の食材。消化吸収が良いのでお年寄りやお子さん
に最適の食材です。
カルシュームとビタミンDを豊富に含んでいますので、成長期のお子
さん、骨粗鬆症の改善にも最適のお魚。

また、タウリンも多く含んでいるため、肝機能を高めたり、心臓の
働きを正常にする効果を期待できます。

生活習慣病予防には最適の食材と言えます。

ナメタガレイの切り身






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プロが選んだ・・・・魚の【のれん街】


 

 


鯥(むつ)・黒鯥(くろむつ)・赤鯥(あかむつ)のどくろ

2020年02月19日 07時16分49秒 | Weblog


       本ムツ

ムツ(本ムツ・黒ムツ・赤ムツ)
【語源】
ムツというのは四国地方の方言の「ムツコイ」に由来すると言われ
ます。これは味が濃いとか、しつこい、脂っこいという意味だそう
です。
現在では魚の脂をことのほか高く評価しますが、昔は旨味が評価の
基準で、脂はマイナス材料だったようです。
マグロにおいてもトロの部分は猫もまたぐとされ、捨てられていた
そうです~!もったいない話ですね~!



      黒むつ



       黒ムツの幽庵焼き


【旬】
ムツと呼ばれる魚は3種類あります。「ムツ(本ムツ)」と「クロム
ツ」・「アカムツ(ノドクロ)」です。
旬はすべて冬です。


     赤むつ


         赤ムツ(ノドクロ)の焼き物




       のどくろの炙り寿司


しかし、アカムツ(のどくろ)だけは別物。本ムツとクロムツはスズキ
目ムツ科ムツ属ですが、アカムツはスズキ目スズキ科アカムツ属の魚
です。


      ノドクロの煮付け


ちなみに、一昔前まで鮮魚売場で見かけた「銀むつ」と言う魚・・・
実は、あやかり「ムツ」で、今は「メロ」という標準和名で、販売
されています~!


      赤むつ(のどくろ)


         

        ノドクロの塩焼き






        黒ムツの塩焼き


【うんちく】
アカムツ(のどくろ)は字の通り、体色が赤です。
ムツとクロムツは非常に似通っており、市場においても区別なく
流通しているあり様。
見分け方は、体色がやや茶色がかっているのがムツ(本ムツ)。
紫がかった黒色をしているのがクロムツです。

また、細かい話になりますが、側線の上に並ぶウロコの数が58枚以下
なのがムツ(本ムツ)。60枚以上がクロムツだそうです。



    ノドクロ(アカムツ)のにぎり寿司



        のどくろ(赤ムツ)の炙りにぎり寿司



ムツ(本ムツ)とアカムツ(ノドクロ)は北海道以南の日本近海、
朝鮮半島南部から台湾北部の東シナ海に、クロムツは北海道南部から
駿河湾、新島にかけての太平洋沿岸域に分布しています。
水深200~700mの岩礁域が住み、小魚やエビ・カニ類、イカ類
などを食べます。非常に大食の魚です。
食い溜めができるように大きな胃袋を持っており、これは、餌の少な
い深海で暮らす魚の特徴です。



   本当にノドが黒い「ノドクロ」(赤ムツ)



   対馬のブランドのどくろ 紅瞳の塩焼き


【ブランド・産地】
北陸地方のアカムツ(のどくろ)はブランド化されつつあると言える
でしょう。
特に石川県能登の「ノドクロ」は有名です。

ムツ(本ムツ)・クロムツについてはブランド化はされていません。


          黒ムツの煮付け




     黒ムツのにぎり寿司


【産地ならではの漁師料理】
ムツ・黒ムツは刺身・煮付け、塩焼きなどで、アカムツ(ノドクロ)
は、煮付け、塩焼き、干物などで食されます。


漁師さんは、産卵直前の卵巣「むつこ」を好んで食べます。
煮付けが最高!ご飯がすすみます。


      ムツ子の煮付け

また、クロムツは鍋が最高といいます。新鮮なものは、特に「エラ」
が美味いと・・漁師さんはいいます。

マグロ君としては、アカムツの肝を煮たものも捨てがたいですね~。
濃厚なあの味わいが忘れられません。




         黒ムツの刺身




        赤ムツの肝煮
【栄養と効果・健康】
たんぱく質・脂肪分が多い魚です。
ビタミンでは、カルシュームの吸収を助けるDと動脈硬化や癌を抑制
するAが多目。
細胞を若々しく保つビタミンEも豊富に含んでいます。


また、血液中の中性脂肪やコレステロールを抑え、高血圧を抑制する
DHA・EPAも豊富に含んでいます。

生活習慣病予防には最適の魚。ただ、高価なのが玉にキズですね。


          ノドクロの塩焼き


     ノドクロの刺身


       クロムツの煮付け




        アカムツ(のどくろ)の煮付け





       ノドクロの焼き物











      ノドクロの炙り

   ↑(上)ノドクロの炙りを巻き物にしたものが↓(下)



       のどくろの炙り巻き寿司










          ノドクロの刺身









         黒ムツの刺身




            のどくろの寿司






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