世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

若布・若芽(ワカメ)

2023年04月09日 20時46分32秒 | Weblog


若布(ワカメ)

【語源】
若布(ワカメ)の語源は、文字通り「若い」から来ています。
その昔、若返りの薬とされており、これが語源と考えられます。
奈良時代には、ワカメなどの海藻を刈り取る事は神事とされて
いたようで、和布刈(めかり)と呼ばれいました。
北九州市に和布刈(めかり)と言う名の神社があり、今も尚、
和布刈神事が行われています。

「布(め)」は、食用になる海藻の総称です。

 

 

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 根のすぐ上の部分がメカブと呼ばれます。

【旬】
流通しているワカメの大半は養殖物です。

6月から7月にかけて天然のわかめの胞子を種糸に採苗し、
採苗器を海中に釣り下げて種を育て、10月から11月にわかめの芽が
出た種糸を養殖縄に巻き付け、本養殖をします。
3月頃には2㍍近くまで成長し、5月ごろまでに収穫します。

したがって、若芽の旬は春です。

また、刺身で食べれる時期はこの春のみ。
時期はずれのワカメは乾燥ワカメに加工されたり、塩蔵されます。
1年中あり、馴染みのある食材の様に思われがちですが、春が旬
なんですよ~


      塩ワカメ
【うんちく】
日本人のわかめの消費量は、年間で一人当たりおよそ2㌔。
海藻の中で最も多く食卓にのぼり、日本人の食生活の一端を担って
いる食材がワカメです。

海藻には数千もの種類がありますが、世界中で海藻を食用として、
日常的に食べているのは、日本と韓国・中国ぐらいなんです。
日本の遺跡から、縄文式土器と共にワカメなどの海藻が発見されて
いる現実をみると、昔から食べられていたんですね~


ワカメのサラダ

また、大宝律令には租税として、わかめの他、テングサやノリなど
8種類の海藻名が記されています。
この時代、海藻類は、上流階級の人たちの食べ物で、庶民の口には
入らない高級食材だったようです。

野菜などの栽培品種が、まだまだ少ないなかで、海藻は貴重な栄養源
だったと言えます。


     ワカメと筍の煮物
【ブランド・産地】
ブランド・・・・とまでは言えないかもしれませんが、兵庫県淡路の
「鳴門ワカメ」は品質が良い事で有名です。
瀬戸内の荒波にもまれた、このワカメは最高級品です。近年、養殖も
盛んに行われているようです。

漁獲量は、岩手、宮城、徳島、兵庫の順。



       茎ワカメ
【産地ならではの漁師料理】
ワカメは捨てるところがありません。
葉はもちろんですが「ワカメ」として。茎は「茎ワカメ」として、
根の上にできる種を作る肉厚のひだの部分は「メカブ」として、
部位別に販売されます。

あまりにも馴染みがありすぎて、漁師料理と言える特別な物は
見当たりませんが、岩手県大船渡の「茎ワカメの千本漬け」は、
郷土料理と言えるかも知れません。
細かく切った茎ワカメを酢醤油に漬けただけのシンプルな料理ですが
美味しいですよ~。


      メカブ




            メカブの雑炊


【栄養と効果・健康】
ワカメの最大の特徴は栄養成分が極めて少ない事です。
反栄養食品と言われ、食物繊維と同様に、採り過ぎた栄養分を体外に
出す作用が期待できます。
そう言う意味で、栄養の獲り過ぎで生活習慣病になりやすい、先進国
の人間にとっては、健康食と言えるでしょう。
特に、コレステロール、糖分、塩分を体外に排出してくれます。

栄養がないといっても、特異的に多い栄養素もあります。
ビタミンKとヨードです。前者は出血した際、血を止める作用を促す
成分で、後者は代謝機能を高める成分。
究極のダイエット食ですね。

       茎ワカメとトマトのサラダ

そして、注目すべきは、根の部分に生育するメカブの栄養分~
「フコイダン」。
この強烈なヌメリ成分は、抗癌作用があり、特に大腸がんを予防する
と言われています。



茹でたメカブ





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蝦蛄(シャコ)

2023年04月09日 05時51分32秒 | Weblog


蝦蛄(シャコ)


        子持ちシャコのにぎり寿司

【語源】
江戸時代はシャクナギ(シャクナゲ)と言われていました。
淡い灰褐色の殻を茹でた時、紫褐色に変わり、それがシャクナゲの
花の色に似ていたところから付けられたようです。
シャクナゲは石楠花また石花とも書きますが、シャクカ(石花)が
なまってシャコと呼ばれるようになったそうです。

風流な方が名付け親なんですね~ちなみに英名は「Mantis shrimp」
訳すと「カマキリ海老」・・・・そのまんまですね~!

やっぱり、ワビサビのわかる日本人の付けた名の方が素敵だと思いません?

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         シャコのにぎり鮨



【旬】
シャコの旬は春から初夏。この時季、子を持ちます。
しかし、身自体を楽しむなら夏から秋が良いでしょう。
シャコは水から上げるとすぐに死んでしまうので、味が落ちる前に
活きたまま、茹で上げるのがコツです。
鮮度が命のお魚です~!





    茹でたシャコの剥き身

【うんちく】
シャコは沿岸および内湾の水深30mまでの砂泥の海底に生息します。
海底にU字型の巣穴をほり、大小二つの出入り口を作ります。
この巣穴で外敵から身を守り、産卵し、そして、狩をして巣穴内で
食事をします。
シャコは恐るべしハンターで、巣穴近くを通るエビ・カ二・小魚を
すくい取るように瞬間的に捕らえます。まさに昆虫のカマキリの様。
また、暗がりが得意のようで、「明るい月夜には身が減り、闇夜には
身が入る」と言われています。




          子持ちのシャコ


身の中央部に棒状に入る卵のことを「カツブシ」と呼び、鮮やかな
朱色をしています。これがまた美味。
このカツブシを持ったものは高値で流通します。

余談ですが、シャコを食うのは日本人とイタリヤ人だけのようです。





        シャコの爪




        子持ちシャコ


【ブランド・産地】
ブランド化はされていないようです。
漁が盛んなのは、福島県の松川浦漁港や岡山県の日生。
底引き網漁で獲られています~!

シャコ自体はブランド化されていませんが、非常に貴重な部分が
あります。それは「爪(つめ)」です。
シャコの鎌状の大きな捕脚(カマキリに似た)であるハサミの身肉の
ことで、米粒よりやや大きい程度。
それも一匹から二個しか取れないから、小皿に一杯分ともなれば
シャコ何十匹にもなります。カ二のはさみの肉に似ており、酢の物や
サラダにも使用されますが、ワサビ醤油でも酒の肴に最高です。


      シャコのにぎり寿司
【産地ならではの漁師料理】
シャコと言えば・・・・にぎり寿司。後は活きたものを茹で上げた
あつあつを食べるのが最高。唐揚げも捨てがたいですね~。殻ごと
いけるし~!


       茹であげたシャコ

しかし漁師さんはもっと簡単に美味しく食べているようです。
それは味噌汁! 活きたものをハサミでぶつ切りに・・・それを
味噌汁に ほおり込むだけ・・・。
「このシャコの味噌汁の右に出る味噌汁はないよ~簡単で最高に
旨い。蟹の味噌汁の上を行くね・・」と・・・・!





【栄養と効果・健康】
海老や蟹に比べると市場評価は見劣りしますが、栄養価は断然上。
銅・マンガンなどのミネラル。ビタミンA・B1・B2・B12などは
海老・蟹よりも多い。

高血圧予防に効果があるカリウムやコレステロールの増加を抑える
タウリン、それに貧血に効果のあるビタミンB12を特に豊富に含んで
いますので血液を正常に保つ働きが期待できます。

まさに、健康食品ですね!




           シャコの酢の物









          茹でたて









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