世の中のうまい話

魚のウンチク、旬、漁師だけが食べている浜料理の紹介などなど・・・食べ歩きは八王子中心!都心も地方もたま~に

鰤(ブリ)

2018年01月21日 08時08分46秒 | Weblog


鰤(ブリ)


    天然寒ブリ照り焼き~風呂吹き大根と彩野菜添 



【語源】
鰤の語源には諸説がある。あぶらの多い魚なので「アブラ」の
「ブラ」が転じたと言う説。
古くは火にあぶって食べたので「あぶり」が略されて「ぶり」に
なったと言う説。
古語の「フリ」が濁って「ブリ」になったと言う説。「フリ」とは
年を経たと言う意味があり関西ではブリを「年とり魚」とも呼ぶ。

また、食べるとブリブリするので、「ブリ」と言う説もある。

ブリを鰤と書くのは、師走(12月)に旬を迎えるからと、言われ
ている。



        養殖ブリの刺身




            天然ブリの刺身

【出世魚】
ブリは成長段階によって呼び名が変わります。これを江戸時代、
出世魚と称し、祝いの席などで重宝されました。

関東では20㌢前後を「ワカシ」、30㌢位のを「イナダ」、
50㌢以上を「ワラサ」、100㌢近くの又は以上のものを、「ブリ」
と呼びます。



関西ではこれが、「ツバス」~「ハマチ」~「メジロ」~「ブリ」
となります。
ちなみに、関東で「ハマチ」と言えば、養殖の別の魚を指す事も
あり、非常にややこしい~!

北陸や東北、北海道では10㌢前後を「ツバイソ」、20㌢までを
「コヅクラ」、40㌢までを「フクラギ」、80㌢までを「ガンド」、
それ以上を「ブリ」と呼びます。







        ブリの幽庵焼き



【旬】
鰤(ぶり)の旬は真冬。寒鰤(かんぶり)と呼ばれ、たいへん
美味しいです。

産卵を終える春以降は身がやせ、寄生虫もつき、著しく味が落ち
ます。

かわって、夏に旬を迎えるのが若魚の「イナダ(ハマチ)」や
「ワカシ(ツバス)」。
ブリに比べ、脂はうすい為、焼いたり、煮たりには向きませんが、
刺身や寿司にするとは美味しい。


        ブリの切身



       ブリを使ったイタリアン




     寒ブリを使ったフレンチ

【うんちく】
ブリは回遊魚です。沿岸から沖合いの中・底層を群で回遊し、
魚類・イカ類を食べます。日本列島に沿って初夏に北上し、秋から
冬にかけて南下するという、季節回遊を行います。

産卵は南日本以南の海域で1~6月頃に行われます。

孵化した稚魚は、「ホンダワラ」などの、流れ藻について移動し
ます。この為、この稚魚は「モジャコ」と呼ばれます。

モジャコは養殖用の種苗として捕獲されています。


       天然ブリのにぎり寿司







    天然ブリの刺身とヅケ

【文化】
鰤(ぶり)は鮭と同様、日本の文化に深く根ざしています。

新潟県の糸魚川と静岡県の天竜川を線で結び、北側は「鮭」の
文化。南側は「鰤」の文化であると言われています。

お正月は、北では鮭料理、南では鰤料理でむかえます。

富山県、石川県では、年の暮れになると、嫁ぎ先にブリを贈る習慣
があります。博多では、塩漬けにした「塩ぶり」を贈る習慣があ
り、これを具に雑煮を食べます。

長野県松本市では、飛騨鰤(ひだぶり)料理で正月をむかえます。
飛騨鰤とは、むかし、富山湾で獲れたブリを塩漬けにして、飛騨
高山を経由して運んだ事からこの名がついたとか・・・!


      氷見の天然ぶり



        氷見のブリ、照り焼き



            氷見のブリ塩焼

【ブランド・産地】
鰤(ぶり)の産地・ブランドと言えば、富山県氷見(ひみ)。
「氷見の鰤(ひみのぶり)」は完全な有名ブランドです。

氷見の鰤の美味しいとされる理由は・・・・!

1.漁場が近く(漁港から20~30分)、定置網で活きたまま
  漁獲する為、鮮度が非常に良い事。

2.富山湾の水質が非常に良い為、餌となる小魚が豊富なこと。
  富山湾には7つの川が流れ込みミネラル豊富。すり鉢形をした
  湾は、この豊富なミネラルを抱え込んでいます。

3.回遊魚であるブリは、富山湾を通るこの時季に脂がのりきる
  為。

4.漁師さんの処理が非常に良い為、鮮度落ちが遅い事。

以上の4つと言えます。


    天然ぶりのカルパッチョ~イクラ沿え

しかし、ブランド化されると、非常に高値になります。庶民には
手が出ませんね~!
また、近年、偽物も多く出回っています。
富山湾外で獲れたブリも、漁港に持ち込まれ、「氷見のブリ」と
して、出荷される事も多いとか・・・・!
ブランド物の宿命でしょうか?  悲しい。





       花ぶり

【注目のブランド】
養殖のブリにおいても、ブランド化されています。その注目の鰤は
・・・・・大分県産の「花ぶり」です。

通常、養殖ブリは6㌔前後で出荷されますが、この「花ぶり」は
10㌔前後まで育て、出荷します。この為、脂ののり、身質とも
天然物にひけをとりません。また、品質・味も安定しており、
はずれがない。

餌は生餌を与え、生け簀には通常の養殖所のように大量に魚を入れ
ることを避けています。また、生け簀設置場所も潮の流れの速い沖
(外海)にし、天然に近い環境で魚に極力ストレスを与えないよう
に育てています。


【花ぶり】の詳しい事はこちら!

「花ぶり」はこちらでゲット!




           ブリのカマ

 

       ブリ茶漬け
    
【産地ならではの漁師料理】
塩焼き、照り焼き、鰤大根、刺身、寿司、カマ焼きと色々な料理
方法があり、どれも美味しいですが、漁師さんは「ヅケ」と
「ブリ茶漬け」をすすめます。

ブリのトロの部分(腹側)で薄切りの刺身を作ります。
これを、煮立てて冷ました醤油・ワサビ・生姜を加えた付けダレに
漬け込みます。これが「ブリのヅケ」。

このヅケをご飯の上にたっぷりとのせ、お茶を注ぎお茶漬けにして
食べます。これが最高!最後の〆にうってつけの料理です。


       天然ブリのしゃぶしゃぶ


そして、もう一品のお勧めは「ブリのしゃぶしゃぶ」です。
薄切りにした鰤を、豆乳でしゃぶしゃぶにします。これが美味!
病みつきになりそう! 




       ブリカツ丼




【栄養と効果・健康】
ビタミンでは若返りのビタミンと言われるEを多く含んでいます。
また、EPA・DHAも多く含んでおり、コレステロールや中性脂肪を
低下させる効果も期待できます。

血合いの部分にはタウリンを多く含んでおり、高血圧の方には
もってこいのお魚です。タウリンは肝機能を活性化する作用も
ありますので、酒呑みにはぴったり!

天然物の方が高値がつきがちですが、栄養面では養殖物に軍配が
上がります。



      ブリの塩焼き



        ブリ飯








          天然ブリの刺身   




              天然ブリの照り焼き








       ブリの蕗味噌焼き








          ブリの粗煮



             ブリのカマ焼き



              ブリ大根










   ブリのシマ寿司



      天然ブリのしゃぶしゃぶ




       氷見のブリのにぎり寿司







           ブリのみぞれ鍋





            ブリの西京焼き




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